ぼくはねこ。（tkxin・ytxym）

＝モフモフ・２２＝　〜涼介サイド〜 ページ22

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今日、店長を殴った。


やった＿＿＿やってしまった、とうとう＿＿＿＿

長い事我慢した。


今回は、前回より長く持った？



・・毎回毎回、この顔のせいで上司にセクハラされる。

今まで大事に至ってないのは・・

いつも最終的に襲われそうになって殴るから。



そして仕事をクビになる。

オレが悪い訳じゃないのに

オレが、クビになるんだ＿＿＿＿＿。



どうすればいい？

黙って従えって？＿＿＿馬鹿げてる。

嫌に決まってるだろ。

どうすれば平穏がやってくるのかな・・・



いい事なんて何もない

こんな顔、こんな自分＿＿＿

消して居なくなる事が出来たらいいのに＿＿＿＿＿。




そう・・今まで思ってた。

でも＿＿＿＿＿


「け・ぃ・・・・。
　はぁぁー・・。」

オレには、慧が居る。

明るい声で、励ましてくれる慧が・・


「はぁぁ・・・。」


街灯が１つしかない暗い公園のベンチに座り

引き裂かれたシャツの前を強く握り

深く深く俯いた。



「オレが・・悪いの？・・悪いのか＿＿＿」




＿＿＿＿＿お前には、あの女の血が流れてる＿＿＿＿


親戚に投げ付けられた言葉。

唾を吐くように・・言われた言葉。


＿＿＿母さん。母さんは悪かったの？


・・ねぇ。



「はぁ・・。
　これからどうしよう。また仕事探さなくっちゃ。
　オレには・・慧が居る。慧が居てくれる＿＿」



頭を抱え俯き、泣きたくも無いのに

涙が零れる。


「でも？・・でもまた繰り返し。
　また同じ事の繰り返しなんだ＿＿＿＿」



＿＿＿＿途方に暮れてしまう。



足元を見つめ涙を零す。

ポタポタと涙が地面に滲みこんで行く・・


情けなくて、惨めで悔しくて。


「オレは、悪くないのに＿＿＿＿＿＿」



そう呟いたオレに

神様のような声が空から降って来た＿＿＿

「悪くないよ。君は悪くない。
　いつも君は一生懸命じゃないか＿＿＿＿
　なぁ、そー思うよな、雄也。」

「ワンッ。」



優しい声と鳴き声に、顔を上げた。



＿＿＿優しい笑顔の裕翔先生と

優しい瞳の雄也くんだ・・・


きゅ。っとシャツの前を掴んで呟いた

「せんせ・ぃ・・？」


「どうしたの？・・涼介君
　こんな暗い公園で危ないよ。ね＿＿＿
　特に君は、綺麗なんだからさ。」

「・・きれぃ・・？」

「ああ、とても美しいね。
　・・ふふ、見惚れてしまうぐらいだ。」

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