僕の声～いつも一緒に～２ (ページ9)

今日:26 hit、昨日:7 hit、合計:86,156 hit

疑念ページ9

結局、一晩中眠れなかった。
日本から帰ってきて疲れているはずなのに、脳だけがはっきりと起きていた。

彼が発した言葉を繰り返し噛み締める。
一晩たってもどうしても実感がなかった。

一体私のどこが好きだというんだろう？

もしかしたら、キュヒョン君はちょっと寂しかった気持ちを好きと錯覚しただけかもしれない。

今度会ったら「ごめん、あれやっぱり間違い」とか言われるかもしれない。

間違いじゃなくても「こんなはずじゃなかった」って思われるかもしれない。

昨日の出来事を打ち消すような疑念ばかりが浮かぶ。
この頭でっかちに考えてしまう不器用な自分をどうにかしたい。

トゥルルル・・・

着信名を見て、心臓がドキドキし始めた。キュヒョン君だ。
「ごめん、やっぱり間違いだった」という電話だろうか。

『はい』

KH 『おはよう・・・起きてた？』

『うん・・・』

しばし沈黙が流れる

KH 『今日も事務所で仕事？』

『あ、今日は日本語学校にちょっと顔出してから、行くの』

KH 『学校？なんで行くの？』

『業務報告みたいなもの。自分がどういった仕事をしたかって』

KH 『そっか・・・』

『なんか用事だった？』

KH 『ううん。ちょっと電話してみただけ。じゃあ』

『あ、うん・・・』

電話を切る。

どうも間違いではなさそう。

体中をつつかれるような高揚感の中で不安感が押し寄せる。

本当に私なんかでいいの？

こんなんじゃ、身がもたない・・・今の電話だけで疲れた・・・

キュヒョンが電話を切って、部屋に戻ろうとすると後ろに両手を組んでソンミンが立っていた。

KH 『あ・・・おはようございます。』

ソンミンの横をすり抜けようとすると

SM 『どうしても言わないつもりなの？』

KH 『え・・・いや、あの』

SM 『なんかがっかりだよ』

KH 『・・・話します』