僕の声～いつも一緒に～２ (ページ41)

今日:8 hit、昨日:7 hit、合計:86,138 hit

ゴミページ41

タクシーを降りると、マンション入り口付近に黒い塊があった。
なんだろうあれ？ゴミ？

人がうずくまっているようにも見えるけど、身動きひとつしない。
私は不気味に感じて、その塊の前をすばやく立ち去ろうとすると、急にその塊は動き出した。
声にあらわせない恐怖が走り、マンションの鍵を探そうと、必死でカバンの中をかき回した。

するとその塊はあろうことか私の腕を掴んできた。

『ひっ・・・いや・・・』

逃げようとするとさらに強く掴まれる。
恐怖で声も出ず、涙が出てきた。

『う・・・』

『俺だよ！』

『へ・・・？』

口を隠していたマフラーを外すと、見慣れた口角の上がった口元。

『キュヒョン・・？』

KH 『そうだよ・・・』

『な、何してんの・・・？』

KH 『何してんのって・・・待ってたんだよ』

『いつから・・・？』

KH 『１時間ぐらい前』

『何で・・・？』

KH 『とにかく、中に入れてくれない？寒くて凍死しそう』

『あ、ご、ごめん！ちょっと待って』

私は急いで鍵を探す。
オートロックを解除して、エレベーターに乗り込んだ。

『連絡くれればよかったのに』

KH 『連絡したよ』

『え？』

携帯を見てみるとキュヒョンからの着信が数件残っていた。

『・・・ごめん、後輩とカラオケに行ってたから・・・気付かなかった』

KH 『は？！』

エレベーターを降りると、部屋の鍵を開けた途端、キュヒョンが私より先に部屋に入った。

KH 『あー寒かった！』

リビングに縮こまって座る。

『すぐに、ヒーター入れるね』

私はヒーターのスイッチを入れ、お茶を電子レンジで温めた。

『はい、とりあえず、これ飲んで』

KH 『うん・・・』

キュヒョンは手をコートのポケットに突っ込んだまま、帽子もマフラーも取ろうとはしなかった。

『部屋が暖まるまで時間がかかるから、毛布も持ってこようか？』

私はベッドに毛布と取りに行き、キュヒョンに掛けてあげた。

『まだ寒い？』

キュヒョンの顔を覗き込む。

『よかったら、熱いシャワー浴びる？』

KH 『一緒に浴びる？』

『え・・・？』

私はうろたえてしまった。

KH 『人をこんだけ待たせたんだよ？』

『え・・・だって知らなかったし』

KH『せっかくライブ終わってすぐ会いに来たのに』

『ごめん・・・』

私は俯いた。