僕の声～いつも一緒に～２ (ページ38)

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キュヒョンは唇を離すと一呼吸おいた。

KH 『とにかく、あのスタッフには気をつけて』

『・・・うん』

キュヒョンはやっと掴んでいた手を離してくれた。

『あ・・・そうだ』

KH 『何？』

『みんなに気付かれちゃった』

KH 『何を？』

『・・・しるしのこと』

KH 『知ってる。でも俺だとは言ってないよ』

『よかった・・・』

KH 『そこまでバカじゃないよ』

トゥルルルッ

キュヒョンの携帯が鳴った。

SD 『お前、今どこにいるの？』

KH 『あ・・・ヒョン・・・トイレです』

SD 『もうすぐ帰るから』

KH 『あ、わかりました』

キュヒョンは電話を切ると私に向き直った。

KH 『明日は来るの？』

『ううん、明日は日本スタッフを観光に連れて行って、空港まで送らないと』

KH 『もう、帰るんだ』

『マコちゃんと別れるのが寂しい？』

KH 『そうだな・・・』

キュヒョンは腕組みをしてニヤリと笑う。

KH 『マコちゃんがいれば、ヌナにまたヤキモチ妬かせられるからね』

私はキュヒョンの腕をぐいっとつねって路地裏の出口へと歩き始めた。

KH『いってっ！』

明日もコンサートが控えているので、打ち上げは早目の解散となった。私は日本スタッフをホテルまで送って行った。

ﾏｺ『Aさん、最後の方、キュヒョンさんとどこ行ってたんですか？』

タクシーの中でマコちゃんが聞いてきた。

『え・・・？』

ﾏｺ『キュヒョンさん、急に立ち上がって、Aさんを連れて外に出ちゃったから・・・』

『ああ・・・私が結構酔ってるように見えたみたい。酔い覚ましにでようって・・・』

ﾏｺ『なんだ、そうだったんですか』

あまり多くは話さないようにしよう。話せば話すほどごまかしきれなくなる。

ﾏｺ『キュヒョンさんってAさんがすごく心配なんでしょうね』

『・・・なんで？』

ﾏｺ『私と話しててもなんかAさんの方ばかり気にしてましたよ』

『・・・そうなんだ。ファンに申し訳ないね。すごい人に心配してもらって』

ﾏｺ『そうですよ！羨ましいです！』

タクシーはホテルの前で止まった。

『じゃあ、明日、また迎えに来ますね』

日本スタッフとはそこで別れ、私はそのまま家路に着いた。