僕の声～いつも一緒に～２ (ページ14)

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ブーンブーン

キュヒョン君の携帯のマナー音が鳴る。

KH『はい・・・はい・・・もうすぐ帰ります』

『マネージャー？』

KH『うん。ちょっと遅いから心配したって・・・』

『じゃあ、帰らないと・・・』

KH『うん・・・』

しかし、キュヒョン君はなかなか動こうとはしない。

『帰らないの？』

KH『いや・・・帰るよ』

『うん、気をつけて』

キュヒョン君はカバンを背負って私の正面に立った。

KH『送れなくてごめん』

『大丈夫。じゃあね』

私が手を振ると、その手を取られる。

KH『冷たくなってる』

『キュヒョン君が行ったらすぐ帰るから。心配しないで』

KH『［君］はなしって言ったでしょ』

キュヒョンは意地悪く笑う。

『わかった。ほら、早く行って』

KH『うん・・・気をつけて帰ってね』

キュヒョン君は私の手を離し、公園を出て行った。

私はその背中を見送ってもしばらくベンチに座って地面に書かれた星を眺めていた。

それからはコンサート会場でのリハーサルのために、メンバー達はほとんど事務所にはあまり、来なくなった。
私はといえば、日本公演での準備をしながら、初日のソウル公演の準備に追われるスタッフ達の雑用を引き受けていた。

リハーサルでも会場の周りはファンの女の子でいっぱいだった。

『会場の周り、すごい人数ですね』

ｽﾀｯﾌ『彼女達、ちゃんと学校とか行ってるんでしょうかね』

『あ、そうですよね・・・こんな時間に・・・』

ｽﾀｯﾌ『Aさん、特に今することないんで、自由にしてもらってていいですよ。またなんかあったら呼びます』

『はい。わかりました』

少しの時間解放された私は客席に向かってみた。後方の入り口ドアからそっと入ると会場内全体が見渡せた。

「こんな広いところでやるのねえ」

ステージでは音響や舞台装置の設置の準備をしている。
スタッフがそれぞれの持ち場を右往左往していた。
一番後ろの席に座ってみた。

この会場いっぱいの観客を魅了できる人たちなんだと思うと、なんだかSUPER JUNIORがすごく偉大な存在に思えてきた。
それと同時に自分がとってもちっぽけな人間に思えた。

普段は食べ物奪い合ったり、ちょっとしたことで喧嘩したり普通の男の子たちなんだけど、ひとたびステージに立てば違うんだろうなあ。
私は近くにいすぎてあまり気付いてなかったな。