32話 ページ32
-月島side-
自分の過去を語るAさんはとても寂しそうだった。
そして自分が迫ったこと、少しだけでも「避けられていてムカつく」と思ったことを後悔した。
事情が事情で申し訳なくてAさんを呼び出す。
月島「なんで返信来ないの…。」
山口「どうしたの、ツッキー?」
月島「なんでもない。ちょっと散歩してくる。」
まだ少し肌寒いからジャージを羽織って携帯を確認しながら歩いた。
途中で先輩に「早く寝ろよ」とか「どこ行くんだ?」とか言われたのを適当に返して進む。
未だに既読つかないし…。
外を見てもいなくて、一応風呂場も外から確認するけどいなくて本気で焦る。
男子部屋の方から笑い声が聞こえる中、少し離れたAさんの部屋に電気が点いているのを見つけた。
月島「Aさん…?入っていいですか?」
A「え…あ…待って!」
扉を開けると目を真っ赤にして鼻をすすっているAさんがギュッと自分のバスタオルを抱えて壁にもたれかかっていた。
動揺して扉を開けたまま立ち止まると手招きをされる。
月島「連絡しても返事来ないので。」
A「あ、ごめん…。思い出すとちょっと。どうしたの?」
月島「すみませんでした。いろいろと。」
A「こちらこそ、ずっと言えなくてごめん。」
月島「怖くないですか?」
A「まだ、ちょっと…」
正直に答えるAさんの言葉に笑うとAさんも笑った。
壁にもたれかかって2人で話を進める。
意外と話してみるとAさんは楽しそうに僕の話を聞いてくれる。
気付いたら1時間ぐらい経っている。
そろそろ就寝時間が近づいてきたから、僕はずっと思ってたことを口に出す。
月島「僕でいいなら男性恐怖症の克服練習しますか?」
A「え…?」
月島「名前呼ぶのとか。」
A「もう…呼べるよ。」
立ち上がった僕を下から見上げるAさんは小さく、呟いた。
A「月島くん。」
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雪(プロフ) - うぉぉさん» うぉぉさん!コメントありがとうございます!これからどんどん話が進んでいく予定なので、楽しみにしていてください!がんばります! (2020年5月28日 22時) (レス) id: 217b0683c3 (このIDを非表示/違反報告)
うぉぉ - 兄弟が誰なのか...めちゃくちゃ気になる...更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月28日 16時) (レス) id: f9e2b39a51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪 | 作成日時:2020年5月13日 0時