限られない正解 ページ10
「どっちだ？」
3人は1度顔を見合わせた。どう回答するべきか、互いに理解しているようだ。
「"私は"右手だ」
私は、ということは私とゴンくんのどちらかが左を選べば必ず誰かは次に進める。
「私は左手にするわ｣「じゃ、オレは左手」
考えていることは同じなようで、2人の声が揃った。
「当たりは左手...これで残りは2人...」
手を開くとコインは左手に。あとは私とゴンくんだけ。眼鏡執事さんは何も言わず、しかし圧を感じる視線を私たちに向けている。
「いくぜ」
「ちょっと待って！」
その数秒の間を開けた後、コインを投げようとした眼鏡執事さんにゴンくんは声をかけた。
「なんだ？ただの時間稼ぎなら一人ぶっ殺すぞ」
「レオリオ、ナイフ貸して。安心してよ。暴れたりしないから」
彼の言葉を聞きレオリオはその意図が分からず少し躊躇いながらもナイフを貸した。
ゴンくんは先程殴られたことによって出来た腫れ傷をナイフで切り、血を抜いて腫れを落ち着かせたのだ。
「よし、OK。よく見える。どんと来い！」
しかし、今まで片目しか見えない状況でコインを目で追っていたと考えるとゴンくんの視力って相当高いのではないか...？
眼鏡執事さんはその様子を見るとコインを宙へ投げまたしても物凄いスピードで取っては投げてを繰り返した。
だけど、今のは一瞬見えた。左手だ。
「どっちだ？」
「左手！」「左手！」
「…やるな。じゃ、こいつはどうだ」
椅子から立った彼は2人の執事さんに話しかけると、コインを3人で回し合った。それも、目では追えないスピードで。
見えない。追い切れないのだ。
「さあ...誰が持ってる？」
左の執事さん、右の執事さん、真ん中の眼鏡執事さん。誰が持っているのかなんて、分からない。
「右の...執事さん？」
「ううん。後ろのこっちの人でしょ？」
確信したようにニッと笑ったゴンくんは後ろを指さした。
――そうか。コインはこの3人の誰かとは限らない。
「すばらしい！」
間違えてしまったのは悔しいが、何とか無事に乗り切れたようだ。
すると、何処からか「ゴーン！」という聞き慣れた声が聞こえキルアくんが来たのだと気がついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
僕です。(プロフ) - はにゃ？さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです😊応援に応えられるよう更新頑張りますね！ (2023年4月15日 15時) (
レス) id: 44f4c2417a (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年4月15日 2時) (レス) id: 1a9c7abd60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：僕です。 | 作成日時：2023年4月11日 17時
