死神との契約 ページ44
「オレは死神グリム。嬢ちゃんの念獣であり死神でもあるのサ」
「一体どういうこと？念獣なんて出した覚えがないわ」
そいつは黒いローブを着て大きな鎌を持つ、確かに人間の死神イメージそのものだった。
「嬢ちゃんは人を殺しすぎたのサ。今人の感情を持ちかけている嬢ちゃんの心を拠り所にしてその死者たちは呪念になっタ。そして、オレはその呪念と嬢ちゃんの念で作られた死神ってわケ」
「そして、そんな死神さんの目的はなんですか？」
死神なんて架空の話でしか聞いたことがなかった。しかし、現に今目の前にいる奴はまさに死神そのもので、その言葉にも信憑性はある。
しかし、何よりも気がかりなのは何故私にこの声を聞かせたのかだ。
「飲み込みが早くて助かル。オレは幽霊ハンターに依頼されてんダ。嬢ちゃんの助けになれとナ」
「そんな訳ないでしょ。ラビーさんは私の事なんてどうでもいいと思っているもの」
「おうおう、落ち着きな嬢ちゃン。それに、どうでもいいなんて思っているわけないだロ」
なんでそんなことが言えるのか。
そう聞こうとした時死神は話を続けた。
「あいつは死んでも尚ずっと嬢ちゃんを気にかけていタ。あの目は大切な娘を見る母親の目そのものだったヨ」
「...知らない。要らないわそんなもの」
私に親からの愛情なんて必要ない。そんなのあっても邪魔なだけだ。
「親からの愛は要らないくせに、アイツからの愛は要るんだナ」
「別にいいでしょ。それより、あの声の理由を聞かせて」
「ハイハイ。あー…正直に言うとな、お前に聞かせていた声は全てオレの存在が見えるのかどうか確認したかっただけダ」
―――...は？
「嘘でしょ。その為にあんな悪夢みたいなものを！？」
「違うんダ！思ったよりも嬢ちゃんの霊感が強くて精神的ダメージの効力が強すぎだけなんダ！」
少し怒り気味に距離を縮めると、死神は焦りながら下がって行った。
「つまりハ！オレの力を貸してやるというワケ！」
「力？具体的に話して」
「分かってル。オレは死神、嬢ちゃんは人間、ただしオレの存在は嬢ちゃんの念でほとんど出来ているんダ。だからオレを念能力で操れるのはアンタだけってこト」
「契約しようゼ。嬢ちゃんはオレの力を好きに使エ。その代わり使い方に見合った分お前の寿命を貰ウ」
契約によって協力する代わりに寿命を貰う、か。
まさに死神を相手にしているような内容だと単純に思い、特に恐怖心はなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
僕です。(プロフ) - はにゃ？さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです😊応援に応えられるよう更新頑張りますね！ (2023年4月15日 15時) (
レス) id: 44f4c2417a (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年4月15日 2時) (レス) id: 1a9c7abd60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：僕です。 | 作成日時：2023年4月11日 17時
