念の使い手 ページ31
「A、一体何が見えないというのだ...？」
「ごめんね、ちゃんと話すべきだった。あのお姉さんが使ったのは"念能力"だよ」
念能力...？とクラピカが私に聞き返したその時、ある違和感に気がついた。
咄嗟に振り返ると、そこには大きな荷物を持った男の人がいて今振り返るまで完全に気配を消していたのだ。
「待ってください。それ、返してくれないと困ります」
「いつの間にっ！？」
多分これは"絶"だ。
今の僅かな気配じゃ私も気づくか気づかないかってところ...この人、強い。
「惜しいな。もう少し早く気づいてりゃ盗まれなかったぜ」
そう言ってこちらを向いた男は私とクラピカのハンター証を持っていた。やっぱりか...
私も通り過ぎるまで存在するも気が付かなかった。
「こいつをスり取ったところか、今すれ違ったことも気づかなかったろ」
「貴様、私たちのハンター証を返せ！」
「念を知らない見習いと、ただのひよっこに...オレが倒せるかな？」
完全にこの人私たちのこと舐めている。けど、多分実力的にはそう言えるほどなのだろう。
クラピカは木刀を握り私はここに来る前念の為と用意していたナイフを持った。
「試してみるかい？」
「勿論っ」
「...ダメだ。Aは何もするな」
完全にやる気だったはずなのに、クラピカの一言で私の頭の中にはハテナしか浮かばなかった。
「Aは念というものを知っている。そしてこの場で念を知らないのは私だけ...もし取り返せたとしてもそれはきっと私の力ではない」
「こんな時に何言ってるの、相手は私たちのハンター証を持っているから何としてでも取り返さないとでしょ」
こういう時に何を言っても聞かないことは知っているけど、今はそれで引き下がる訳にもいかない。最悪の場合を考えないと。
「頼む。自身の実力を測りたいんだ」
「...本当に勝てない時は加勢するからね」
悔しいけど、そんな真っ直ぐな眼で言われたら強く言えない私も私だ。
ナイフは手に持ったまま一歩下がり、様子を見ることにした。
「ハンター証、返してもらうっ！」
「遅い動きだな」
木刀を構え男に攻撃するも、それは簡単にかわされてしまった。それでも尚男はあの大きな荷物を持ったままで、完全に甘く見られているのだ。
何度攻撃しても避けられ、反撃すらされない様子から段々クラピカの息も上がってきた。
「まだ...まだだ！」
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僕です。(プロフ) - はにゃ？さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです😊応援に応えられるよう更新頑張りますね！ (2023年4月15日 15時) (
レス) id: 44f4c2417a (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年4月15日 2時) (レス) id: 1a9c7abd60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：僕です。 | 作成日時：2023年4月11日 17時
