虚しい2人 ページ26
「いい加減僕を見てよ。お姉ちゃん」
だから、言ってやった。
彼女がずっと追い続けている弟のように、少年のような声で、言い方で。
これで少しは私を見てくれると思ったからだ。
「らっ...ライラ......」
案の定ラビーさんは動揺してこちらを見つめていた。
そして、やっと見てくれたとそう思ったのも束の間、彼女は私を思い切り抱きしめた。
「私、ライラじゃないからね」
「分かってる。分かってるけど、もう少しだけ...」
その後は何も言わずにただ無言の時間が続き、ココアは時間に合わせて段々冷めているのに私は独り時の止まった世界に取り残された気分でいた。
今ラビーさんが抱きしめている人物は私だけど彼女は自身の弟だと思っている。そんなのどちらも虚しいだけだ。ラビーさんは弟に戻ってきて欲しくて、私は...
――私はなんだ？
ラビーさんに抱きしめられるのは悪い気がしない。名前を呼ばれるのも嬉しくなる。
だけど私からは彼女を抱きしめたいとも名前を呼びたいとも進んで思わない。
だからこれは、愛じゃない。
なら、なんなんだ？
「ごめんね。ライラが戻ってきたみたいでつい」
「いいわよ別に、それで貴方の気が済むなら」
私は彼女を心から愛していない。彼女じゃ私の心は温められない。
だとしたら、誰が私の心を温めてくれるのだろうか。
「あれっ...私って......」
――誰かに心を温めて貰いたいの？
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僕です。(プロフ) - はにゃ？さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです😊応援に応えられるよう更新頑張りますね！ (2023年4月15日 15時) (
レス) id: 44f4c2417a (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年4月15日 2時) (レス) id: 1a9c7abd60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：僕です。 | 作成日時：2023年4月11日 17時
