兎のぬいぐるみ ページ24
「さ！念の修行もそろそろ始めないと」
あえて話題を逸らされたのか、偶然重なったのか。どちらなのかは分からないが以前も言った通り踏み込みすぎはよくないのだろう。あまり知りすぎる必要も無い。
だから私は、特に気にすることなく修行を始めた。
それからの日々はアイラとして過ごしていた時よりラビーさんとの距離が近くなり師弟関係と言えるくらいにはなった。
そして念に関してはその日のうちに無理矢理精孔を開いたこと以外何の問題もなく進んでいき、そこで分かったことがある。
それは私の念について。ラビーさんの見込み通り...いや、それ以上に私は念の素質があったのかオーラの絶対量が普通より少し多いらしい。そのため相当強い念の使い手になる可能性が高い。それが今の現状だ。
「纏、絶、練、発。これが念の四大行ね」
「どれも難無くこなしちゃうなんて凄いね...正直予想外」
「私は自分の身を守ることしか生きていく方法がないの。だから、念だって使えるようにならなくちゃ」
今はただ、なんとか生き延びてあの少年に会う。それだけが全てなんだ。
それ以外に生きる希望なんてない。
「へぇ。もう少し子供らしくすればいいのに」
「そんなこと言われても、子供らしい扱いなんてされたことない私には分からないわよ」
施設にいた頃も人間としてすら思って貰えなかった。外に出たって、自分の欲のためにしか私を見ていない大人ばかり。
――子供らしいなんて言葉、私には1番似合わない。
「ちょっと待ってて。そんなAちゃんにプレゼント」
「その呼び方、てゆうか...何言って」
ラビーさんは可愛らしい袋を持ってくると、私に手渡した。
その意図が分からず彼女の方を見つめていると、瞳を輝かせて開けるのを待っているように見受けられる。
大人しくその封を開けたその時、目の前に大きな兎のぬいぐるみが飛び出してきた。
「えっ、ぬいぐるみ？」
「そう！白い毛に水色の目、なんだかAみたいだと思って買ったの」
「貴方から見て、私はこんな風に見えるの？」
そのぬいぐるみはふわふわで可愛らしくて、私の手には余るものだった。
ラビーさんはこれを見て私みたいだと思ったのだとしたら、それはとんだ勘違いだ。私はこんなに綺麗で可愛くない。
「うん。見えるよ」
「そんなことっ...！」
――そんなことない。
そう反論しようとした時ラビーさんは私の頭をワシワシと撫でた。
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僕です。(プロフ) - はにゃ？さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです😊応援に応えられるよう更新頑張りますね！ (2023年4月15日 15時) (
レス) id: 44f4c2417a (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年4月15日 2時) (レス) id: 1a9c7abd60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：僕です。 | 作成日時：2023年4月11日 17時
