何処にも ページ15
「まずは、ハンターを雇っている人間を探すところからだな」
3人と別れたあと、私とクラピカは飛行船の中で今後の動きについて具体的な計画を練っていた。
「けどそう簡単に見つかるものじゃないのは確かだから、斡旋所とかをあたるのが1番かもね」
「斡旋所か...そうだな。電脳ページでめくれば近くの場所は分かるはずだ」
電脳ページでそんなことも分かるなんて、今まで知らなかっ多分改めてその便利さが分かる。
以前ハンターページに出てきたラビリンス=アイビーという名前が一瞬頭によぎった。そういえば、あの人は一体誰なのだろう。聞いたことのあるような名前だ。
「――A？」
「えっ...と、どうしたの」
考え込んでしまい反応が遅れてしまった。心配そうに私の顔を覗き込むクラピカの瞳は優しく、それだけで安心できる。
「何か悩んでいるように見えたが、気のせいだろうか」
「ううん、少し疲れちゃってたみたい。大丈夫だよ」
もしもその名前が、私の過去に関係するものなら思い出さなくてはいけない。
だけど、もしそれが良くない記憶だったらと嫌な想像をしてしまう。
まだ私は、弱いままなのだ。
「それなら少し休め」
声が聞こえた頃にはもう遅く、私の頭は隣にいるクラピカの肩まで小さな力でそっと押された。
「飛行船の到着まで時間はある。楽にしていろ」
「それを言うならクラピカだって休んだ方がいいんじゃないの？」
「私のことは気にしなくていい」
そう言われて気にしない性格じゃないことくらい分かっているはずなのに。
「なら子守唄でも歌ってもらおうかな〜」
「調子に乗るな。いいから休め」
「ふふ、やっとこっち見た」
先程からずっと強ばっていた表情が緩んだその隙を狙い、クラピカの両頬をこちらへ向けさせるとバッチリと目が合った。
「それは見させたというのではないか？」
「気にしない気にしない。クラピカはもっと表情緩めた方が可愛いよ」
「キミはいつもそうやって茶化すな」
"ならもっとこっちを見て"なんて可愛げのある言葉、気恥ずかしくて言えないけど思っていることは事実だ。
いつかちゃんと言葉に出来る日が来たら、その時はきっと今より甘えられるのだろうか。
「何処にも行かないでね」
――やっぱり私は、彼の前だと安心しきってしまう。
薄れゆく意識の中、掠れた声で小さく呟いた言葉は届いていただろうか。
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僕です。(プロフ) - はにゃ？さん» ありがとうございます！そう言って貰えて嬉しいです😊応援に応えられるよう更新頑張りますね！ (2023年4月15日 15時) (
レス) id: 44f4c2417a (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年4月15日 2時) (レス) id: 1a9c7abd60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：僕です。 | 作成日時：2023年4月11日 17時
