告白 ページ20
うらたside
リビングでノートを読み進めている
誰も喋らずに、ただページをめくる音だけが部屋に響く
ノートに書かれていることは
どちらかというと日記に近かった
1ページ目に書いてあったとおり、
いままで俺らに隠していたAの弱いところが
日付を辿って綴られている
だけど、時々
本当に時々だけど、前向きなことが書いてある日もあった
あったけど、そうやって前を向いたときに限って
Aは嫌な思いをしていたようだ
……それすらも知らなかった俺らは、
ただただ、弱々しい文字を、涙で滲んだであろう文字を
唇をかみしめながら辿った
半分を読み終わった頃、
リビングの扉が開いた
いたのは少し顔色の悪いAだ
Aは中に入ってくることなく
ただ扉に寄りかかってこちらを見ている
俺らもまた、無言で彼を見つめた
そらる「……A」
A「……おはよ、そーちゃ。みんなも、おはよ……」
いつもみたいに広角を釣り上げて笑うA
無理してる。なんてこと
今更わかった……
A「……読んだ？」
沈黙の中、覚悟を決めたように口を開いたA
その声は震えていた
うらた「途中まで、な」
A「そう………ごめんね。こんなやつで」
まふまふ「そんなことっ…！」
焦ったように声を上げたまふまふに
ただ小さく笑ったA
なにを言っても届かないんだ……
再び静かになった空間にAが息をすう音だけが聞こえる
A「……楽しんでたのかもしれない……自分が自分じゃない感覚に陥ったり、窒息感や漠然とした不安を感じることに……」
視線を落とし、いつもより小さい声で話し始めるA
今、Aが言ったことはこのノートには書かれていなかった
ノートには『つらい』『つかれた』『しにたい』『きえたい』とか、
あとは愚痴のようなものがたくさん綴られていた
楽しんでいた。というのは
きっと今、自分を顧みた結果なのだろうか
経験のない俺には、なにもわからないけど……
A「実際に、そういう異常を感じると僕は生きてる実感がわくんだ。でも……それが裏目にでた。あの日、みんなにメッセージを送っちゃった日。今までにないくらいの不安と自己否定に僕は……しのうとした」
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櫻太(outa) - めっちゃ面白いです…感動… (2019年6月1日 18時) (
レス) id: b37069abba (このIDを非表示/違反報告)
いおり - とても面白かったです。お忙しいとは、思いますが更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2019年5月6日 15時) (レス) id: 2b648ba40c (このIDを非表示/違反報告)
三歩止 - 沙姫さん» ご指摘ありがとうございます……！訂正致しました！近いうちに更新します。長らくお待たせしてしまって申し訳ありません…… (2019年3月3日 0時) (レス) id: 31e8f67384 (このIDを非表示/違反報告)
沙姫 - 登場予定の歌い手の中にさかたんが入ってないですよ〜!!更新頑張って下さい！ (2019年2月16日 19時) (レス) id: cd1e3819fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：武蔵野 三歩止（ﾑｻｼﾉ ﾐﾎﾄ） | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年2月1日 23時
