説得 ページ12
そらるside
そらる「………A？」
Aの家に着いて
いつものように家にあがった
そして目にしたのは真っ暗なリビングでうずくまるAの姿
声をかけるとビクッと肩を揺らし
何かを放り投げた
手探りで灯りをつけ部屋を見渡す
片付いた部屋にポツンとAが投げたと思われるものが転がっていた
そらる「はさみ………」
見間違いなんてしない
床に落ちているのは紛れもない
はさみだ
そらる「なに、してたの……？」
A「…………なんでもないよ」
そらる「俺の顔見て言えよ」
A「………あっ、そーちゃ……ッ！」
なかなか俺を見ないA
痺れを切らした俺は少し強引に腕を引き、向かい合った
目があった途端、Aはサッと視線をそらした
どうやらなにも言う気はないらしい
だけど腕の赤い線がすべてを物語っていた
血は出てないけど……
そらる「A」
A「なんでもないッ！なんでもないからッ！」
そらる「……ほんとうに？」
ゆっくりとそう聞くとブンブンと頷くA
どうしてこいつは頼るということを
助けを求めることをしないんだ
もし
いまここでAに手を伸ばさせたら
少しでも求めてくれれば
俺たちは、俺は……
助けられるのか……？
小刻みに震えるAは唇をギュッと噛み締めている
俺はゆっくりとしゃがみ視線の高さをあわせた
それでもやっぱりAは俺を見ない
そらる「……A」
A「な、なに……？」
そらる「つらいなら……それでいいんだ。隠そうとしなくて、いいんだよ」
赤い線を優しくなぞりそう告げる
切れてないだけまだよかった……
刃を強く押し付けただけみたい
それでもこういう行為をしたってことは事実なんだよな
なんとも言えない感情を誤魔化すようにAの頭をぐちゃぐちゃと撫でた
A「そーちゃん……あのね………」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻太(outa) - めっちゃ面白いです…感動… (2019年6月1日 18時) (
レス) id: b37069abba (このIDを非表示/違反報告)
いおり - とても面白かったです。お忙しいとは、思いますが更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2019年5月6日 15時) (レス) id: 2b648ba40c (このIDを非表示/違反報告)
三歩止 - 沙姫さん» ご指摘ありがとうございます……！訂正致しました！近いうちに更新します。長らくお待たせしてしまって申し訳ありません…… (2019年3月3日 0時) (レス) id: 31e8f67384 (このIDを非表示/違反報告)
沙姫 - 登場予定の歌い手の中にさかたんが入ってないですよ〜!!更新頑張って下さい！ (2019年2月16日 19時) (レス) id: cd1e3819fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：武蔵野 三歩止（ﾑｻｼﾉ ﾐﾎﾄ） | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年2月1日 23時
