予兆？ ページ7
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ホームで駅弁を食べていると、母から電話が入った。私同様、早々に娘の事がこいしくなってしまったのだろうか？私は呑気にきんぴらごぼうをつつきながら、震えるスマホの通話ボタンを押して液晶に耳を傾けた。
「はい、もしも……」
『A…！！今どこ？！』
「……い、今？」
電話越しに随分と取り乱した様子の母に私は驚いた。普段とても穏やかな彼女がここまで慌てている様子は珍しい。私は何事かと思いながらも「新幹線のホームでお昼食べてるよ」と伝えた。
『あ、そう……良かった………』
「何かあったの？…」
「さっきテレビのニュース速報入ってきて、新大阪から神戸に行く途中の地下鉄で脱線事故起きたって……」
「えっ」
母の言葉に思わず、箸を止めた。
「Aが乗ってる可能性があるかもって、今親戚中で大騒ぎしてた所だったんだけど……ああ、本当に良かった」
「う、うん」
未だ状況が読み込めない私に追い討ちをかけるかのように構内アナウンスが突如響き渡った。脱線事故の為、御堂筋線の運転再開の目処が立たないと言う趣旨の内容だった。
「…………」
嫌な汗をかいた。あの時もしも、ナンパに捕まって居なかったらと思うと今にも震えだしてしまいそうだった。あのまま行っていたら私は、その事故を起こした電車に乗っていた可能性が限りなく高い。
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�犂躓＾貳鵜畉該戮覆海箸�ら今日のような重大な事まで、私は昔から何かとこの言葉が合うような場面に出くわすのだ。やはり、お狐様が私を悪霊から守ってくださっているのだろうか。そう思うと毎日のお祈りも、お守りの携帯もより一層気をつけておこなうようになった。
あとは長年の経験上、こういった場面に出くわす際は絶対と言って良いほど私物が無くなっているのだ。なので真っ先に今朝食べたおいなりさんを思い出した。
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「お母さん、今日ねお弁当のおいなりさんが１つなくなってたの」
「……お守りを、肌身離さず持っていなさい。それと、おじいちゃんに頼んで魔除のお守りを送ってもらうからね。分かった？」
「はい。」
「大丈夫、お狐様が守ってくださるから」
「うん…」
母の信念のこもった力強い声と、いつの間にか手に握りしめていたお守りを見て私は安堵した。私にとって、家族と神様は何よりも心強いものだ。
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兎海(プロフ) - kamui926さん» 嬉しいです！ありがとうございます(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
kamui926(プロフ) - この小説すごく良かったです。 (2021年1月8日 21時) (レス) id: 1fab38a7fb (このIDを非表示/違反報告)
兎海(プロフ) - もすけさん» 頑張ります！読んでくださりありがとうございます(=^^=) (2020年8月20日 10時) (レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
もすけ - はじめまして！更新されるたび楽しく読ませていただいています！更新これからも頑張ってください(^^) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 77771da255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兎海 | 作成日時：2020年8月1日 2時
