侑とちびっこ2 ページ21
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その後結局1時間程子供と公園で遊んだ。通行人に怪しまれぬよう人間の姿に化けたが、この姿で動くのはどうも燃費が悪い。鬼ごっことかくれんぼをしただけですっかりくたくたである。
今はブランコの周りを囲むように埋められた色とりどりのタイヤに座り、俺以外全員スマホをいじり出していて先ほどの喧しさが嘘のように静かだ。
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「なあ、それなんなん？今の人間はみんな持ってるやんな？」
俺がそれを指差すと、隣に座るちびっ子はとても珍しそうな顔をする。
「お兄ちゃん、スマホ知らんの？」
「いや、名前は知っとるけど。なにしてるんそれで」
「おかんと電話したり、みんなと写真撮ったり？…」
「ふーん」
反対隣に座っていたちびっ子もひょこりと話に加わって来た。
「うちAちゃんと撮った写真あるで。見る？」
「え、見る…！」
「ほら」
「おわ、すご！Aが居る！！」
彼女が差し出したスマホの中には確かに、こちらに屈託のない笑顔を向けたAの姿があった。
「一瞬の出来事をこんなに鮮明に残せるんやな……」
今まで全く興味が無かったが、やるなスマホ
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「なぁ、お兄ちゃん！さっきの姿で写真撮らしてや」
ちびっ子の1人がそう言って俺にスマホのレンズを向けた。が、俺は首を横に振った。
「多分あの姿やと俺、写真写らんと思うで。」
「うっそやぁ！ほんなら試しに撮らして〜」
「ええけど、あんま大声出したり、おかんとかに撮った写真見せたりせんといてな？」
全員が「言わん」「約束する」と首を縦に振るので、俺は本来の姿に戻り、そのままちびっ子が構えるスマホのカメラレンズに向かってピースした。
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(カシャッ)
…
「うわ、ほんまや」
「写っとらんな…」
「…こわ」
「フッフ」
プチ心霊写真に夢中になるちびっ子のおっかなびっくりしたその顔に、思わず狐の血が騒ぐ
俺は調子に乗って今度はわざとらしくボワッと煙を出しながら再び人間の姿に化けた。「わぁあ！！」と驚く彼らを気分良く見下ろし、笑った。
「この姿ならちゃーんと写るで。」
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後にその公園に「狐出没注意」と書かれた注意書きが建てられてしまう事を、その時の俺はまだ知る由もなかった。
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兎海(プロフ) - kamui926さん» 嬉しいです！ありがとうございます(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
kamui926(プロフ) - この小説すごく良かったです。 (2021年1月8日 21時) (レス) id: 1fab38a7fb (このIDを非表示/違反報告)
兎海(プロフ) - もすけさん» 頑張ります！読んでくださりありがとうございます(=^^=) (2020年8月20日 10時) (レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
もすけ - はじめまして！更新されるたび楽しく読ませていただいています！更新これからも頑張ってください(^^) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 77771da255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：兎海 | 作成日時：2020年8月1日 2時
