遅い! ページ11
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「…!!!」
(ガチャ)
玄関のドアが開く前に俺は勢いよくベッドから体を起こし、そして一括。
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「おっっそいわ!!!!!!!」
当然、この声は当の本人には届いていない。
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この2ヶ月間、Aは家に帰らない日の方が多かったのではないか。仕事とやらが忙しいのは良くわかる。だが、いくらなんでも帰って来なすぎやろ!何泊すれば気が済むんや。社畜にも程がある。
イライラしながらAの帰りを待つ時間は苦痛だ。あれきり治からのモーションもなし。どいつもこいつもなんやねん。
そんな俺の気も知らずに、Aは上機嫌で鼻歌をうたいながら部屋着に着替え始めた。ほんまにこの娘ときたら…着替える時はカーテンを閉めろといつも母親に言われとったやろ。
「ほんま、無防備なやつや」
「ああ………美味しかったな」
「え?笑」
シャツのボタンを外しながら、さっきからずっとうわのそらなAのひとりごとに俺はふっと笑った。
「…Aはほんまに食べるのが好きやなぁ」
最近のAはいつも疲れていた。帰って来ても飯は食わんし、ひどい時は玄関で朝まで眠ってしまう有様だった(そういう時は毎回俺がこっそりベッドまで運んだ)。だからか、こんなにもゆったりとしている彼女を見るのは久しぶりで、純粋に嬉しかった。
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「せやけど、もう少し早よ帰って来んかいアホ。なんかあったらどうすんねん、そうなる前に助け行くけどな!」
俺の声が聞こえていない彼女の目の前でやいやいと小言を言っていると、彼女はお守りを握りしめてだいぶ久しぶりに今日1日の終わりのお祈りを始めた。そうすると、俺の体はじんわりと暖かくなる。
「お狐様、今日も1日ありがとうございました。」
「……ん、1日よく頑張りました。」
よしよしとAの頭を撫でて、彼女がよく眠れるようにその手で妖力を送る。眠そうな彼女はそのままベッドに倒れ込むように眠りについた。
俺はどうしてもこの娘には甘いのだ。
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兎海(プロフ) - kamui926さん» 嬉しいです!ありがとうございます(^^) (2021年1月11日 13時) (レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
kamui926(プロフ) - この小説すごく良かったです。 (2021年1月8日 21時) (レス) id: 1fab38a7fb (このIDを非表示/違反報告)
兎海(プロフ) - もすけさん» 頑張ります!読んでくださりありがとうございます(=^^=) (2020年8月20日 10時) (レス) id: 7a66186871 (このIDを非表示/違反報告)
もすけ - はじめまして!更新されるたび楽しく読ませていただいています!更新これからも頑張ってください(^^) (2020年8月20日 0時) (レス) id: 77771da255 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:兎海 | 作成日時:2020年8月1日 2時