over dose.【ばぁう】【まひとくん。】

過剰、摂取。 ページ8

mahito.

青に近い瞳は、一点に集中させてギラッと大きく開いた。

バッ、と反射で下を向く。

まだほかほかと蒸気を上げている食べ物が、嫌でも目に入る。

肉厚で美味しくて、幾らでも食べ進められる料理なのに。

緊張で味がしなくて手が止まってしまった。

正直、今ばぁうくんが何を考えているのかは全く検討もつかない。

それがまた、もぉ...

圧を感じる視線に居た堪れなくなり、思わず口を利いてしまった。

m「...何が知りたい、の。」

肩をビクつかせながら、視界を開ける。

眩しい程の照明に輝かせられた彼は、

料理を押し退けて、手元一杯に薬を広げていた。

守備範囲内に置いてある水を片手に、プチプチと器用に錠剤を露わにして行く。

異常な量で、異常な行動で。

m「...っ、！？」

目の前の人が、誰か分からなくなった。

椅子が派手な悲鳴を鳴らす。

恐怖と混乱が脳を埋め尽くし、呼吸が荒れる。

急いで口元を袖で塞ぐが、余り効果は無い。

大袈裟な反応かもしれない。

...でも、考えてみて。

目の前で過剰摂取の現場を見るなんて、残酷でしか無い。何方にも。

ガリッ、ガリッと薬を噛み砕いて行く音だけがこの部屋に響いている。

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