💜#2 ページ3
yukimura.💜
スマホの電源を落として、適当に髪だけ整えて手にスマホと中島、家の鍵を持って家を飛び出した。
他意を感じることの出来ない真っ直ぐな文。
歩く訳が無かった。
自分の息の切れる音だけが静かな路地に響く。
ポツポツと一定の間隔を空けて立っている電灯が道標となり、道を分かり易くしている。
電車に乗らないとは言え、徒歩では遠すぎる為バスを利用する。
目立た無い所に立っているバス停の横に並び、少ししゃがんでバスが通る時刻を確認する。
5分後、か。
正面に向き直し、中島を両腕でぎゅっと強く握る。
綿が飛び出しているのが視界に入るが、対して気にならない。
僕裁縫できないし。
少し肌寒い気がして、肩を竦める。
夏日とかちょくちょく言ってるけど、嘘くね。
無音の領域に無機質なガスを吐く音が聞こえる。
待ち遠しいに近い感情を持って前を見る。
ドアが自動で開き、ゆっくりとした足取りで中に入る。
公共の乗り物独特の、息が詰まる様な匂いに思わず顔を顰める。
生暖かい空気に嫌悪感を覚えた。
でも幸いな事に車内はガラ空きだった。
運転手はこちらを振り向いて営業スマイルを作った。
...え待って何?社畜怖過ぎ。
ぎこちなさ過ぎてこっちが愛想笑いしたくなる。
嫌、しないっすけどね、(笑)
運「珍しいですね、この時間帯に乗ってくるお客さん。どちらまで?」
y「あｯ、」
急に話しかけてくんなよ。
y「このバスの経路の3番目の所まで、お願いしますｯ。」
運「承りました。」
心地良い速度でバスが出発する。
絶対僕おかしい人だと思ったでしょ。
中島チラチラ見やがって。
まあ良いんだけどさ。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
鍵はちゃんと開いてて、音のしないドアを躊躇無く押し開けて中に入る。
電気着いてねぇし...。
どこに居んだよ。
壁を触りながら取り敢えずばぁうが何処に居るか探す。
声、てか生活音がするはず何だけど...。
リビングを通り過ぎ、2階に上がりばぁうの部屋に入る。
そこに、ばぁうは居た。
泣いていた。
想定外の行動にどうして良いか分からなくなり、呆然とする。
綺麗な黄色の瞳から止まらず溢れる涙が、痛々しさを演出した。
時々漏れる嗚咽が、先程の配信を思い出させる。
y「ばぁう...さん、?」
v「ｸﾞｽｯ、ぁ」
今の今まで自分の存在に気付いていなかったのか、大きく目を見開いてこちらを見る。
y「大丈夫、すか。」
数秒の沈黙が訪れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凪 - ﾝﾝﾝﾝ！結構前から認知はとてつもなく嬉しいです！！！次の作品も沢山コメントさせてもらいます！！！ (2022年10月5日 16時) (
レス) id: f0ceab6806 (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 結構前から認知してますよ？👓✨僕の事気に入ってくれたみたいで嬉しいです💖こうして支えてくれて本当にありがとう💕僕も凪さんが大好きです❤(ӦｖӦ｡)次の作品も沢山コメントしてくださいね？？✨ (2022年10月4日 8時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 紫騎。さん» これからも応援します！認知のようなコメント！！！とっても嬉しいです！神作者さん！紫騎さん！作品も紫騎さんも大好きです！これからも頑張ってください！ (2022年10月3日 22時) (レス) id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 凪さん» コメントありがとうございます💖凪さんには、もうめちゃくちゃお世話になってます😭本当に感謝してもしきれないよ(´；ω；｀)💧重い話好き同士が見つかって嬉しい❤(ӦｖӦ｡)これからも応援よろしくお願いします💕🎉 (2022年10月2日 19時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
凪 - いつも作品拝見させてもらってます！私も重い話だいぶ好きなので読んでて楽しいです！移行おめでとうございます！これからも応援させてください！ (2022年10月2日 19時) (レス) @page42 id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫騎。 | 作成日時：2022年5月17日 20時
