❤#19 ページ20
vau.❤
こういう場面に何回も遭遇しているはずなのに。
何故か今は動けない。
てるちゃんも、どうしたら良いか分からないと言わんばかりの困惑した表情を見せていた。
さっきしゆんの振り払われた腕が、鈍い痛みを残している。
少しの怒りが、しゆんを虐める。
助けて貰いたいんだろうな。
でも、
都合の良い人間じゃないんだよ俺は。
服の裾を強く握る。
感情を抑えるために。
何時までも傷を舐め合っていたら何も進まない。
1人で立ち上がる力を出さなきゃ駄目なんだよ。
...俺には助けてやれない。
助けられない。
《俺と完全に一致した意見》にどうやって向き合えば良いか分からない。
誰にも言えなかった。
柄じゃなかったから。
もっと辛い奴が居たから。
俺の意見なんて何時か蒸発してしまうんだから。
なんで...
なんで...ッ
v「あ゛あ...もお゛ッ!!」
t「ばぁうくん...ッ(泣)」
v「なんでしゆんだけ!!俺と同じなのに...お前だけ!!」
しゆんはビクッと体を震わせて、怯えた顔で俺を見る。
si「あ...ぁ...ッ、」
その顔がまたムカついて、
t「駄目だよばぁうくん...」
あっという間に味方は敵になって。
v「退け、てると。」
t「ゃ...」
俺が軽く突き飛ばすと、されるがままに道路に叩きつけられた。
しゆんの前に立つ。
si「ポロポロ...ぐすっ、」
長い前髪を掴んで、立たせる事を強制する。
si「痛い゛ッ、辞めて...ごめんなさい!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいッポロポロ」
加虐心を煽るその顔は、もっと俺を暴走させた。
体を殴ろうと拳を振り上げた時、
ブーッ、ブーッ、
ポケットに入れていたスマホが震えた。
ピタッと動きを止めて、舌打ちをしながら電話に出た。
v「誰。」
so『あー、俺俺。そうま。』
空気の読めない声が、俺の頭に響く。
腹が立つはずなのに、何故か怒りを沈めた。
...特別な声。
v「要件は?」
so『嫌、遅いからしゆんどうかしたかなって。』
皆しゆんの心配ばっか。
眉間に皺を寄せ、しゆんとてるちゃんを盗み見る。
2人共、涙を流しながら俺の方を見ている。
気分が良い。
v「大丈夫、見つかったしそろそろ帰るから。」
so『おけ〜。』
通話終了の画面の目視し、
現実に引き戻された感覚になる。
v「帰ろ。そまが心配してる。」
明らかにほっとした顔で、2人は立ち上がった。
v「さっきの事、誰かに言ったらまたやるから。」
釘刺しは抜かり無く。
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凪 - ンンンン!結構前から認知はとてつもなく嬉しいです!!!次の作品も沢山コメントさせてもらいます!!! (2022年10月5日 16時) (レス) id: f0ceab6806 (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 結構前から認知してますよ?👓✨僕の事気に入ってくれたみたいで嬉しいです💖こうして支えてくれて本当にありがとう💕僕も凪さんが大好きです❤(ӦvӦ。)次の作品も沢山コメントしてくださいね??✨ (2022年10月4日 8時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 紫騎。さん» これからも応援します!認知のようなコメント!!!とっても嬉しいです!神作者さん!紫騎さん!作品も紫騎さんも大好きです!これからも頑張ってください! (2022年10月3日 22時) (レス) id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)
紫騎。(プロフ) - 凪さん» コメントありがとうございます💖凪さんには、もうめちゃくちゃお世話になってます😭本当に感謝してもしきれないよ(´;ω;`)💧重い話好き同士が見つかって嬉しい❤(ӦvӦ。)これからも応援よろしくお願いします💕🎉 (2022年10月2日 19時) (レス) id: 79bd70445b (このIDを非表示/違反報告)
凪 - いつも作品拝見させてもらってます!私も重い話だいぶ好きなので読んでて楽しいです!移行おめでとうございます!これからも応援させてください! (2022年10月2日 19時) (レス) @page42 id: 4f2278291a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫騎。 | 作成日時:2022年5月17日 20時