夜が明ける、5分と1秒前。【騎士A】〈1st〉

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yukimura.💜

発表する前から既に重い空気になっている中、僕の声が軽快に響く。

軽薄だと、言われるかもしれない。

だって、突然だもんな。

僕の中では突然では無いけど。

1週間前に言ったと言うのに、メンバーは泣き始める。

正直メンバーには頭が上がらない。

リスナーはリスナーで現実を受け止められない奴も居るし、疑問符を浮かべている馬鹿な奴も居るし、従順に従っている奴も居る。

悲しみの余韻に浸る時間を十分に設けている間、僕は嗚咽などが聞こえるイヤホンを取る。

静かな時間が欲しかったのだ。

ここ
(騎士Aが、ゆきむら。の墓場です。)

「ｯ...!」

そんなの妄言だ。

またゆきむら。は嘘つきとかコメ来るんだろうなー。

言い訳程度にしかならない戯言を並べていく。

...僕だって、続けられるものなら続けていきたかった。

活動していく度に自分の無力さに打ちのめされる日々。

叫んでも叫んでも消耗するのは時間と喉だけ。

事実は、現実は、何も変わらない。

他メンとも差が開いていって追い付こうと駆け出すと、必ず何処かで転ぶ。

何度血が滲んだ事か。

何度逃げ出そうとしたか。

頭を抱えて、1度スリープしようとした瞬間に、イヤホンから聞こえる爆音で目を思い切り開く。

v「ゆきむら!」

慌てて、イヤホンを付ける。

「ｯはい、」

v「最後になんか言っときなよ。後悔しないようにさ。」

「そう...っすよね。」

t「うん...ｸﾞｽｯ」

僕が状況を変えないと。

わざとテンションを高くして、明るく振る舞う。

「じゃあ、最後のお願い言っちゃって良いすか!」

so「...お願いしますっ!ｸﾞｽｯ」

「ちょ、あの配信前に作ったのがあるんすけど...あ、これだ。」

こうなる事は何となく予想してたから、取り敢えずウケそうな画像を作った。

マウスを数回クリックし、画像を張り出す。

意外と自信作、各店舗の偽特典。

合成とか何時間掛けたか覚えてない。

一瞬マジかと思うリスナーとか居るんじゃない?

v「...ｗ」

m「ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ...ふふっ、」

si「これね、(苦笑)ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ」

「ゆきむら力作だから、これ。」

コメントもまあまあ草生え民が増えてきて、安堵する。

ゆきむら。の最後は意外と悪いものじゃないなって。

その画像を貼ったまま、ばぁうが話し出す。

v「じゃあ最後は行ってらっしゃいで行きますか!」

so「そだね、じゃ、せーの!!」

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