起点2 ページ5
「…え？」
あれ、何言ってんだわたし。
恥ずかしくなって思わず下を向く。
いや別に全然、声をかけたからには最後まで案内する責任があるし、使命感みたいな？
だから下心とかないし。いや何下心って。
ちょっとこの人に興味が出てきたのは事実であるが、それは下心とは呼ばない。
頭の中で葛藤を繰り返すうちに、ジリジリと照りつける昼下がりの太陽に気づいた。その途端汗が吹き出てきた。
…すごく細身で色白な男の人も汗をかくのだろうか。
そう思って少し顔を上げると、
「！」
男の人の顔はほんのり赤くなり、前髪が湿るほどに汗をかいていた。
よく見るとぼーっとしてるような気も…する。
「良かったら、お店で休んでいって下さい。長時間お日様の下にいたら、身体に良くないです。」
また、口走った。
こんなの柄じゃない。
ただ、このまま外にいるのは危険だ。この人細いし白いし、倒れそうだ。
「アイスコーヒー、サービスします。」
ムロさん、勝手にごめんなさい。
＊
半ば無理矢理な感じで店に入れ、タオルとアイスコーヒーを出した。
「ありがとうございます。すみません、ご迷惑おかけして…。」
男の人が申し訳なさそうに言った。
眼鏡と帽子を取った男の人はさっきよりよく表情が見えるようになった。
かっこいい顔してるなぁ。
ふと思って恥ずかしくなった。
わたしこういう顔がタイプなのだろうか。
「いえ、ご迷惑だなんてそんな、わたしが言い出したんですから。ごゆっくりなさってください。」
頭を下げ、裏に入る。
「Aちゃん、これまかないね。」
片付けられたキッチンにはラップをかけられたナポリタンがあった。
「ありがとうございます」
わたしはさっそく食べ始めた。
やっぱり佑樹さんのごはんは美味しい。
「ねぇ、あのお客さん、Aちゃんの知り合い？」
ムロさんが興味深々というようなにんまり顔で聞いてきた。
「違います。さっき店先で、初対面の人です。」
「そうなんだ。Aちゃんとは年が離れてそうだったから、驚いたよ。彼氏だったらどうしようかと思ったよ。」
ムロさんは笑って言った。
確かに、男の人は30代ぐらいだろうか。わたしと10くらいは違うだろうか。
ナポリタンを食べ終え皿を洗う。
男の人の様子が気になってカウンターを覗くと、コーヒーを飲み終えてスマホを見ていた。
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らんたろう(プロフ) - まるさん» 知りませんでした！教えて頂きありがとうございます(^^) (2018年10月18日 12時) (
レス) id: 7ab9b5d42a (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月17日 21時) (レス) id: 479cad478a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らんたろう | 作成日時：2016年8月18日 22時
