その距離、7700km 【カリブラ/ジロー】

39話 ページ40

フェスは17時から始まり、みんないい感じに酔ってきて、
会話も、お互いの距離も近くなっている。

Aを囲んでいる男どもよりも一番近くに
きのしたさんがいることが何よりの救いだ…




て「Aさん料理まじでうまいね！」

貴『まぁ一応一人暮らしなんでー』

シ「俺一人暮らしだけど料理しねーな」

ン「俺はちょこっとするよ！」

貴『ンダホさん美味しく作れそう笑』




色んな人に声をかけられながらも、
作業の手は一切休めずにあちこち動き回っている。

カリブラのところにも来ることは来るが、
すぐに誰かに呼ばれて行ってしまう。




だから俺は非常ーーーーーーーーーーーに楽しくない。




ジョージもミノも気にしてくれてるんだろうけど、
事務所のイベントだから一応いい顔はする。

だけど、好きな女が目の前で違う男と話してたら…
女々しいかもしれないけど、イラつくだろう？


そんな気持ちを消すために、アルコールを大量にいれる。




ジョージ「おいおいジロー飲み過ぎ！もうやめとけ」

ジロー「うっせー飲ませろ寝かせろ」

貴『どうしたジロー、酔っ払いじゃん』



顔を上げると、待ち焦がれていたAが
エプロンを外して立っていた。




貴『みなさん酔っ払って寝ちゃったから、
　 もうお世話いいよってあげてもらったの』




そう言って俺の膝の上に座るA。



貴『忙しくてこっちこれなくてごめんね？さみしかった？笑』



いたずらな顔で言ってくるから、
後ろからぎゅっと抱きしめてやると、
子供をあやすように俺の頭を撫で回した。

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