その距離、7700km 【カリブラ/ジロー】

28話 ページ29

ジロー「空飛ぶ…金魚？」




そのチラシは水族館のもので、
金魚がメインで展示されるイベントがあるらしい。



貴『そう、みんなで行かない？今から！』

ジョージ「…あ〜俺ダメだわ、この後用事あんのよ」

ミノ「俺もライブの打ち合わせがあってさー」

ジロー「は？そんなこと言ってたか？」



2人を見ると、ぎこちないウインクをしている。
(ミノはむかつくけどめっちゃ様になってる)


…もしかして気遣ってんのか？




貴『そっか…じゃあまた今度に…』

ジロー「…俺は暇だけど？」



シュンとしていたAは、
俺の一言で顔をパッと明るくした。




貴『やった！支度してくる！』




立ち上がってパタパタと寝室へ入っていく。
Aの姿が見えなくなると、ジョージとミノは
無言で親指をたてて「がんばれ」と言ってきた。



俺も同じ様に親指をたてて、
一度家に戻って支度をし、車を回して待っていた。
(日本にいる間はダサいレンタカー…)




貴『お待たせ！』




数十分してやってきたAは、
白いレースのVネックワンピースにヒールのサンダル、
肩くらいまである髪を少し巻いて、ハートのピアスをしていた。


今までに見たことのない服装にドキドキしつつ、
水族館へと車を走らせる。

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