その距離、7700km 【カリブラ/ジロー】

15話 ページ16

貴『ジローどこで寝るの？』

ジロー「あっちのソファー」

貴『一緒に寝ればいいじゃない』

ジロー「…お前なに言ってんのかわかってんのか？」

貴『アメリカだと普通なんじゃないの？』



いや確かに「仲良しは一緒に寝る」っていったけど。
男と女は違うだろ？？俺間違ってる？？



貴『一緒に寝ようよぉー』

ジロー「ダメ」

貴『…小ちゃい男ー』

ジロー「なんだとぉ？…わかったよ寝るよ…」

貴『やった〜』

ジロー「ほら詰めろもうちょっと」



シングルベッドに二人で寝ているから、
おのずと距離が近くなって心臓が高鳴る。

そんな俺の気も知らずにAは、
俺の腹にぎゅっと抱きついてきた。



貴『ん〜いい抱き枕だぁ』



もうどうにでもなれ、と同じように背中に手を回す。
余裕な顔しやがって……かわいいけど。



ジロー「はいはい、寝ろ寝ろ早く」



冷静を装って、Aの背中をポンポンと
リズムよく叩いてやる。


すると数分後、Aは俺の腕の中で
気持ちよさそうに寝息をたて始めた。



ジロー「意外と…小さい…」



すっぽりと俺の腕に収まるAは、
見た目の大人っぽさからはかけ離れた小さだった。


長いまつげ、顎の下のほくろ、耳たぶのピアス穴、
普段見れないところが全て見える。

無意識に顔に手を伸ばしていたが、
くすぐったかったのか寝返りをうって向こうに
行ってしまいそうになるAを背後から抱きしめた。


規則正しい寝息につられて、
俺も目を閉じた……。

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