《二刀流》…？ ページ10
視界の奥で、キリトがウインドウを操作するのが見える。
ＰＯＴ…違う。
あれは……剣！？
私はオブジェクト化のポリゴンが作り出した物に、目を見開く。
もうひとつの剣は、キリトの背中の鞘に収まった。
一体、何をする気なのか？
剣の２刀同時装備なんて、ソードスキルが使えないのに…？
「イヤァァァ！！」
「たあああっ！！」
アスナと私が裂ぱくの気合と共に放った突き技が、悪魔と私達の間に間合いを作った。
「スイッチ！！」
その瞬間、キリトが敵の正面に飛び込む。
キリトは悪魔が振り下ろした剣を《エシュリデータ》で弾き返した。
間髪入れずに左手をもう一本の柄に回し、悪魔に一撃を見舞う。
…クリーンヒットだ！
「グオオオオ！！」
悪魔の剣が再び切り下ろし攻撃を放ってきた。
キリトは両の剣を交差して受け止め、すぐに中断斬りを払う。
左の剣を叩き入れる。
次は右。
左。
…右。
なんだ…このスキル！！
見たこと無い…！
通常、片手用直剣を両手に装備して、ソードスキルを発動するなんて不可能だ。
いくら筋力パラメータを上げても無理。
なのに、キリトは二本の剣を振るっている。
「…《二刀流》…！？」
私は掠れ声で呟いた。
正式サービス直前、盗み聞きした会話――茅場晶彦とお兄ちゃんの会話に、出てきた。
確か、《神聖剣》や《夕闇》と同じ、エクストラスキル！
「うおおおおおあああ！！」
上位剣技《スターバーストストリーム》。
絶叫しながら二刀を振るうキリトのソードスキルは、最速だった。
《アインクラッド最高速度》で名高い私よりも。
私でも、目を凝らさないと見えないくらいの速度だ。
完全にシステムアシストを上回っている。
…システムを上回れるのは、私だけじゃない。
《思い》があれば可能なんだ。
何かを守る決心があれば。
「……ぁぁぁああああああ！！」
最後の、１６連撃。
剣がグリームアイズの胸を、貫く。
「ゴァァァアアアアアア！！」
絶叫は悪魔もだ。
巨大な悪魔の咆哮。
グリームアイズの全身が、硬直した瞬間。
青いポリゴンの欠片となって。
グリームアイズは、跡形もなく四散した。
全部……終わったんだ…！
…キリト！！
と、私は叫んで駆け寄ろうとした。
「…え」
驚きと恐怖で足を止める。
キリトのＨＰバーは、僅かだけを残して紅く染まっていた。
「キリト…？…キリト！！」
キリトは剣を左右に振り払い、背中に戻す。
直後――声もなく、床に転がった。
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作者 - パスワードを忘れて編集できなくなった作者です！注意書き(ネタバレ込)を失礼します。この作品は最終的にキリトくんと夢主は友情、最高の相棒エンドとなり、主人公とキリトくんは恋愛的には結ばれません。ご了承できる方のみこの先もお楽しみください！ (2022年12月4日 21時) (
レス) id: e3bb314ceb (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - ↓ミスタッチしました。すみません！ 《旋風４》のコメント欄にて、続編企画のリクエストなど常時受付中でございます！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - 《旋風４ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - この度、《夕闇の旋風》が完結いたしました！読者の皆さん、ありがとうございました！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 多分、外れたと思います！しぇるふぃあ。さん、ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m (2016年10月30日 2時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ | 作成日時：2016年6月29日 22時
