軍の精鋭部隊 ページ7
「キリト君、《軍》よ！」
ハッとして入口を注視すると、二列縦隊で集団が部屋に入ってきた。
足取りは重く顔にも疲労の表情が感じ取れる。
先頭の男が「休め」と言った途端に隊員が座り込む。
男は、仲間に目もくれずにこちらに向かって近づいて来た。
「私はアインクラッド解放軍所属、コーバッツ中佐だ。マップデータを提供して貰いたい」
むむっ。
《軍》って、いつから正式名称になったの？
それに…マップデータの提供？
「て…提供しろだと！？手前ェ、マッピングする苦労が解って言ってんのか！？」
クラインが喚く。
中佐は片眉をぴくりと動かして顎を突き出すと、
「我々は君ら一般プレイヤーの解放の為に戦っている！諸君の協力は当然の義務である！」
…何それ、意味分かんない。
軍は、一年以上フロア攻略に来なかったじゃん。
解放の為に戦ってるのは、血盟とか攻略組の小ギルドとかソロなのに！
「あんたさあ…」
「ちょっと、あなたねえ…」
「て、てめぇなあ…」
私と同じく爆発寸前の声を出すアスナとクラインを、キリトは両手で制した。
「どうせ街で公開しようと思っていたデータだ、構わないさ」
…このお人好し。
まあ、私もマップで商売する気は全く無いけどさ。
中佐はデータを受信すると、「協力感謝する」と気持ちがこもってない声で言った。
「ボスにちょっかい出す気ならやめといたほうがいいぜ」
キリトの警告を流し、中佐は部下を立たせて歩いて行った。
あーあ、仲間は消耗してるよ。
あの調子でボス部屋突入したら、ヤバい。
流石にそこまではしないだろう。
…いや。
「…私、様子見てくる」
私は剣を装備して歩き出そうとした。
すると、クラインがアスナに話しかける声が聞こえた。
「あー、アスナさん…アイツのこと、宜しく頼んます。口下手で、無愛想で、戦闘マニアのバカタレですが」
い、言えてる！
私は素早くクラインの隣に行くと、大きく頭を下げた。
「それに鈍感で、子供っぽくて、無茶苦茶なヤツだけど、宜しくお願いします！」
キリトはびゅんっとバックダッシュし、クラインのバンダナの尻尾と私のミニマントの裾を引っ張った。
「な、何を言っとるんだお前たちは！」
「だって、キリトがコンビ組むなんて。ねえ、クライン？」
「美人の色香に惑ったとしても大した進歩だからよう…」
「ま、惑ってない！」
後ろを向いたキリトに向かって、私とクライン、そしてアスナまでもがニヤニヤと見た。
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作者 - パスワードを忘れて編集できなくなった作者です！注意書き(ネタバレ込)を失礼します。この作品は最終的にキリトくんと夢主は友情、最高の相棒エンドとなり、主人公とキリトくんは恋愛的には結ばれません。ご了承できる方のみこの先もお楽しみください！ (2022年12月4日 21時) (
レス) id: e3bb314ceb (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - ↓ミスタッチしました。すみません！ 《旋風４》のコメント欄にて、続編企画のリクエストなど常時受付中でございます！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - 《旋風４ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - この度、《夕闇の旋風》が完結いたしました！読者の皆さん、ありがとうございました！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 多分、外れたと思います！しぇるふぃあ。さん、ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m (2016年10月30日 2時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ | 作成日時：2016年6月29日 22時
