二人のユニークスキル使い ページ12
「…キリト。今の、何のスキル？」
私の疑問で、ボス部屋が静まり返る。
アスナもクライン達も同意見みたいだ。
―あんなスキル、私は見た事ない。
でも。
茅場昌彦の言ってたことが本当なら、エクストラスキル《二刀流》で間違いない。
じっと見つめている私とキリトの視線が交差した。
「…エクストラスキルだよ。《二刀流》」
おおお、と全員がどよめいた。
やっぱりキリトは、ユニークスキル使いだったんだ…！
同じユニークスキル使いの私にも黙ってたのは、少ーしだけ不満。
それでもキリトなりの理由があってだろう。
「発生条件は解ってるのか？」
クラインが息せき切って尋ねた。
再びキリトに注目が集まる。
「解ってたら、とっくに公開してる」
少し残念そうに言った言葉に私は心底呆れた。
――人が良すぎる。どこが《ビーター》なんだよ、お人好し。
張り詰めた緊張が解けたように歓声で溢れるボス部屋だけど、私はパンパンと手を叩いて注目をさせた。
「アクティベートしに行こ。…キリトとアスナはここにいて。クライン達、行くよ！」
おう、と威勢のいい返事が返ってくる。
私はキリトの隣で尋ねるような眼をしているアスナを認めた。
肩を竦めて片手を振る。
アスナは泣きそうな顔で薄く笑みを返した。
――だって、アスナがキリトを、涙を必死に堪えている瞳で見つめていたから。
あんな顔されたら。譲るしかないよ。
「おっそーい、クライン！」
何故か喉の奥につっかえている苦味に気づかないふりをして、私は階段を上がった。
――キリトの隣にいるのは、私よりアスナが相応しい。
そう思う自分に自嘲するような苦笑を浮かべる。
本当に無事で良かった。
本当に。
…嬉しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
作者 - パスワードを忘れて編集できなくなった作者です！注意書き(ネタバレ込)を失礼します。この作品は最終的にキリトくんと夢主は友情、最高の相棒エンドとなり、主人公とキリトくんは恋愛的には結ばれません。ご了承できる方のみこの先もお楽しみください！ (2022年12月4日 21時) (
レス) id: e3bb314ceb (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - ↓ミスタッチしました。すみません！ 《旋風４》のコメント欄にて、続編企画のリクエストなど常時受付中でございます！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - 《旋風４ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - この度、《夕闇の旋風》が完結いたしました！読者の皆さん、ありがとうございました！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 多分、外れたと思います！しぇるふぃあ。さん、ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m (2016年10月30日 2時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユキ | 作成日時：2016年6月29日 22時
