剣士との再会 ページ2
私はある店に向かって、道を走り抜ける。
木で出来たお店。
それが通りの前に見えると、さらに加速する。
「流石に７５０コルは高いだろ」
ぴくっ、と反応した。
聴き慣れていた少年の声。
やっぱりここにいる。
「ウチのモットーは安く仕入れて安く提供！お得意様のキリトには、あくどい真似はしませんよ」
「毎回言うけど、後半はどうだかなぁ…」
ＰОＴらしきものがテーブルに置かれてる。
店主は１８０センチくらいの筋肉に包まれた体躯に、スキンヘッドのアバター。
悪役レスラーみたいなのに、笑うと愛嬌がある顔なんだよ。
この商人は私が１回だけ――女性プレイヤーとは思わなかったみたいだけど――行った買い取り屋
のエギル。
でも、私が見てたのはエギルじゃない。
エギルの向かい、商談席に腰掛ける黒いコートの背中。
「うーん、ＰОＴ２本で７５０コルか。ＮＰＣショップではあと１００コル安い」
うわ、コルは不自由してない癖に！
私は素早く近づき、耳元に囁いた。
「…周辺のＮＰＣショップ、売り切れてたけど？」
「あ、そうなのか……っA！？」
キリトは真横にいた私に気付くと、驚いて一歩下がった。
「見かけないと思ったら、いつからそこに居たんだ。アルゴに似てきてるな」
いやいや、アルゴの方が断然上。
というか私、隠蔽スキル使ってないし。
「あんた、前に店に来た奴じゃねえか。第５０層攻略レイドには居なかったが、攻略組だったか？」
エギルが私に尋ねると、キリトは同感と言いたげな顔をする。
当然だよね。
一応トッププレイヤーの《光蝶》が、４３層以来ボス戦不参加だったんだから。
「Aがいなかったお陰で５０層攻略はリスク増量だったってのに…アルゴに聞いても『秘密だ
ナ』だし、何やってたんだよ？」
反省してます、本気で。
勝手に緊急脱出しまくって戦線崩壊、レイドが全滅しかけたという報告は聞いてるよ。
更に４３層から《光蝶》が消息不明だから、『もう死んだのではないか？』と噂してるのを聞いた
事もある。
でもさ、仕方ないって事もあるでしょ。
「…何層かにさ、《体術》の爺さんいるの知ってる？」
私は少し視線を彷徨わせて口を開いた。
「あの爺さんの山、攻略の３日前に行ったんだ。…こーれが超苦手分野スキルだったみたいで
さぁ。スキル獲得に５日かかっちゃって、山降りられず攻略断念」
「３日前？君の自信には驚かされる、と言うか呆れる」
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作者 - パスワードを忘れて編集できなくなった作者です！注意書き(ネタバレ込)を失礼します。この作品は最終的にキリトくんと夢主は友情、最高の相棒エンドとなり、主人公とキリトくんは恋愛的には結ばれません。ご了承できる方のみこの先もお楽しみください！ (2022年12月4日 21時) (
レス) id: e3bb314ceb (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - ↓ミスタッチしました。すみません！ 《旋風４》のコメント欄にて、続編企画のリクエストなど常時受付中でございます！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - 《旋風４ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
作者：ユキ - この度、《夕闇の旋風》が完結いたしました！読者の皆さん、ありがとうございました！ (2017年4月19日 20時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 多分、外れたと思います！しぇるふぃあ。さん、ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m (2016年10月30日 2時) (レス) id: 18dde9c14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ | 作成日時：2016年6月29日 22時
