地下の再開−2 ページ25
嘲笑うかのような笑みを浮かべた中原が、ゆっくりと拷問室に降りて来る。
太宰は虫を見るかのような目をし、Aは"チートキャラお断りなんですが"とぼやいている。
「良いねぇ、こりゃ。百億の名画にも勝るぜ」
『え?小学生の夏休みの絵にも勝らないでしょうが』
「うわっ、中也、うわっ」
「良い反応してくれんじゃねぇか・・・頚り殺したくなる」
『(言ってること怖。後ろ下がっとこ)』
元相棒の再開を邪魔するのは流石に無粋と思ったAは、音を立てないように後ろに下がって見物に専念することにした。
その選択は正解だったようで、最早二人の世界に入っている。言い方が恋人らしくなったが、そこは目をつむって頂きたい。
その恥ずかしい帽子は何処で買うの?
言ってろ馬鹿ボンド。どうせまだジサツが何とか言ってんだろ?
うん
・・・ちょっとは否定しろよ
「今や手間は悲しき虜囚。だが・・・ちょっと怪しいなァ。丁稚の芥川は騙せても俺は騙せねぇ」
中原は芥川の髪を掴んだ状態で尋ねる。
「何が目的だ?」
「何って・・・見たまんまだろう?処刑待ちさ」
「んじゃあの女は何だよ」
「来てくれた!」
『国木田氏に頼まれてたから来たんですがね』
何故か話題の中に自分が入っていたことに驚くA。しかし中原の視線はもう一度太宰に戻っていることに内心安堵した。双黒の強さを知っている者ならば、彼らに喧嘩を売ろうなんざ考えられない。
中原は蹴りで太宰の手枷を繋いでいた壁を破壊し、手枷は途中で切れた。
Aは、錆びていたとは言えど金属製であろう手枷を蹴り一つで破壊できる中原に恐れを抱かずにいられなかった。
手枷が切れた状態の太宰は、パチンと指を鳴らす。すると、両手首に着いていた手枷はカシャンと音を立てて地に落ちる。
Aの目は、太宰が右手にピンを隠していることに気付いていたが。
これが双黒、裏社会最悪の二人組。
太宰の、いつもの飄飄とした態度から一変した獲物を狙う狩人の目に一瞬怖じけつき、ジャリ・・・と一歩後ろに下がってしまった。本能的に。
『(異能力使って逃げたいけど・・・)』
治療された後で細胞はぶちぶちに切られ、異能力を酷使した状態で座標飛びを行うのは余りにも危険が過ぎる。それを考えたAは、素直に双黒の戦いを見る他無かった。
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響輝@ロングスリーパー(プロフ) - か、完結…!?!?更新お願いしたいです!!!あ、勿論無理ない程度で。。。外の作品も素敵です!頑張ってください! (2022年1月14日 21時) (レス) @page44 id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 安心してください。。私もイデア氏にしか見えないです。(白目) (2021年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 夢主ちゃんがイデアくんだとしか思えない私は末期() (2021年11月23日 13時) (レス) @page14 id: a2bd06fd1d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 楽しみに待ってるので頑張ってください! (2021年10月25日 21時) (レス) @page44 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
蓮蜜 - この作品は本当に面白いです!これからも頑張って下さい! (2021年10月23日 11時) (レス) id: a6fc2eacdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kaoru | 作成日時:2021年9月22日 23時