【文スト】武装探偵社の陰キャは実は凄い。

地下の再開−1 ページ24

Aが治療に伸びていた頃。
ポートマフィア地下の拷問室。





芥川が居るにも関わらず、武装探偵社で耳にたこができる程聞かされる心中の歌を一人寂しく歌う太宰。
芥川を煽って結果殴られている。馬鹿なのだろうか。





｢貴方の罪は重い。突然の職務放棄、失踪。
あまつさえ今度は敵としてポートマフィアに盾突く｣




｢とても"元幹部"の所業とは思えぬ｣




｢そして"元上司"の所業とは･･･かい？｣





"元上司"。その言葉に反応した芥川は、太宰の左頬を思いっきり殴る。
確かに太宰の"人間失格"は対異能力戦では最強の切り札だが、手枷で触れられない上に敵が異能力を使わなければ無力と同じ。





それを知っているからこそ、芥川は手を上げた。





"異能力を使わなければ、いつでも殺せる"





そういう芥川に対し、太宰はほんの昔話をした。芥川の教育には大変難儀したこと。
飲み込みは遅い、独断専行は直らない。おまけにあのぽんこつな異能力。





まるで今が窮地ではないと言っているようなその軽薄な態度に、芥川は拳を握った。まぁ、ぐっと抑えたが。









｢私の新しい部下は、君なんかよりずっと優秀だよ｣









新しい部下、すなわち中島の事。
それを察した芥川は、握った拳を渾身の力に乗せて太宰を殴った。太宰の整った顔立ちは打撲痕で汚れていた。





コツコツ、と音を立てて芥川が拷問室を後にする。それを見計らったかのようなタイミングで、拷問室の影からAが姿を出す。





『どんだけ煽ってるんです太宰氏』




｢Aちゃん！･･･何かつやつやだね｣




『ヒィッ！よ、与謝野氏･･･怖い、チェーンソーは治療道具ではない･･･』





それで何があったか察した太宰。
中島が入社する前に、太宰は一度Aの悲鳴と事後を見たことがあったからだ。何時まで経ってもあの悲鳴には慣れそうに無いねとクスクス笑う太宰を軽く睨みつけるA。





｢そういえば、どうしてここに？｣




『決まってるでしょ、太宰氏の回収ですぞ？』




｢成程ね･･･でも帰るのはちょっと待って！｣




『･･･成程ぉ、出資元ですか』




｢相変わらずの悪巧みかァ？太宰｣




｢この声は･･････うげぇ！｣




『中原中也･･････うっわ会いたくない系のチート級キャラ来たんですが？最早ラスボス、ゲームバランスおかしいし』




階段から現れたのは、太宰の元相棒･中原中也だった。

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