檸檬と夜叉−3 ページ18
『・・・中島氏、いない。発信機は・・・擦れて此処に落ちてったのか・・・』
中島と与謝野が乗っていた五号車に着地したA。青いシートの座席には、出発前に中島に仕掛けた盗聴器付きの発信機が落ちていた。すると、前方車両から爆破音が響く。
『、与謝野氏!?』
「おやぁ?また一人被験者が増えたぞ!」
『梶井基次郎か・・・有名な方ですな』
「貴方の死は・・・何色かなぁ?」
すると、Aの足元に檸檬を投げた梶井。正しくは"檸檬型の爆弾"だが。負傷しているが与謝野はまだ生きている。
おそらく意識が薄い分、異能発動に手間取っている。
Aは近場の座席に与謝野を横にして寝かせる。そして梶井の方を向き、左足を半歩後ろに下げる。
梶井はあんなに至近距離にいたと言うのに、爆弾の被害はゼロ。おそらく自らに掛かる檸檬爆弾の被害をゼロにする異能力、とAは読む。
何と言っても与謝野を死守すること。
前方に与謝野が単独でいると言うことは、後方車両に中島がいる。つまり此処でぶっ倒れる訳には行かないか、と溜息を着いて腕まくりをした。
「ふははは!ふはははははは!!」
『頭がイカれてるなぁ・・・っとと!』
座席の上の荷物置き場の狭い空間を足場にして梶井に襲い掛かる。しかし撒き散らされた檸檬爆弾のせいで、上手く一手を決めることが出来ない。
与謝野の方をちらっと見ながら、梶井と戦う。与謝野が起きさえすれば、こっちのものだ。そう確信しているAは、ただひたすらに囮になり、時間を稼ぐことに徹した。
「私の名前は境花。貴方と同じ孤児
ポートマフィアに拾われて、六月で三十五人殺した」
「!!?」
後方車両の戦いも、凄まじいものだった。
中島が街中ですれ違った少女こそが、指名手配である三十五人殺し、ポートマフィアの暗殺者・泉鏡花であったのだ。
十四程の少女が、それほどの殺戮を繰り返している事に、中島は目を見開くしかなかった。
境花は携帯電話を耳に近付ける。電話越しには、芥川の声が響いていた。
「爆弾を守れ、そして邪魔者は消せ」
そんな端的で、十四の少女が受けて良い筈の無い命令を、境花は自らの力で制御することが出来ない夜叉白雪の力でこなす。
夜叉とは、半人半鬼の殺戮の権化。
ポートマフィア暗殺者・泉鏡花
異能力___夜叉白雪
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響輝@ロングスリーパー(プロフ) - か、完結…!?!?更新お願いしたいです!!!あ、勿論無理ない程度で。。。外の作品も素敵です!頑張ってください! (2022年1月14日 21時) (レス) @page44 id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 安心してください。。私もイデア氏にしか見えないです。(白目) (2021年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 夢主ちゃんがイデアくんだとしか思えない私は末期() (2021年11月23日 13時) (レス) @page14 id: a2bd06fd1d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 楽しみに待ってるので頑張ってください! (2021年10月25日 21時) (レス) @page44 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
蓮蜜 - この作品は本当に面白いです!これからも頑張って下さい! (2021年10月23日 11時) (レス) id: a6fc2eacdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kaoru | 作成日時:2021年9月22日 23時