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反社.18 ページ18

貴「ここどこだろう…」
梵天のアジトから出たあと、走った

少しでも早く
なるべく遠く

気がつけば知らないところに来ていた
人が沢山いる…

そもそもアジトの場所が私の生活圏内から外れていて
右も左も分からず走ってしまったから…

お金もないし携帯もない…
慌てて出てきたからパジャマとスリッパのまま

周りはキラキラ輝いてる
貴「かぶきちょう…」

もしかしてホテル街…?
ヤバいところに来しまった…

元の道を戻ろうと踵を返したとき
誰かに腕を掴まれた

咄嗟のことで振り返ってしまう
「お姉さん暇?こんな格好でワケありっぽいね」

馴れ馴れしく話しかけてくる男性
ホスト、とかじゃなさそう…

貴「暇じゃ、ないです…」
やっとの思いで出した声は情けなく震えていて

聞こえたかも分からないくらい小さかった
「彼氏と喧嘩?そんなやつ忘れて遊ぼうよ!」

貴「いいです、大丈夫です、、」
首を振って手を解こうとするが

力が強くて離れてくれない
「そんなこと言わずにさ!な、ホテル行こ!」

貴「やめて、」
私の言葉なんて無視してどんどん中の方に入っていく

貴「やだ、、まって、やだ、」
力ではどうしても敵わなくて

引きずられるように連れていかれる
貴「た、すけて、、まんじろうさん、、っ!」

「はっ?」
思わず彼の名前を呼んだとき

強い力で身体を引き寄せられ
背中が何かに触れた

佐野「…お待たせ」
貴「まん、じろさ、、」

顔は見えないけど
匂いが体温が、声が

優しい万次郎さんそのものだ
「なんだよお前!俺が先に目ェつけた女だ!」

佐野「……ハ?」
「…っ!」

万次郎さんの「ハ?」は
今まで聞いてきた中で1番冷たかった

それとは反対に
私の身体を後ろから優しく抱きしめてくれる

「何言ってんの?コロスけど」
一般人が言う殺すとは明らかに重さが違う

私に言われたわけじゃないのに震えてしまう
「…っ、、クソっ!」

彼は吐き捨てるように言うと
背中を向けて去っていった

2人きりになってしまった
周りには何人もの男女がいるけれど

ここだけ切り離されたみたいに、2人きり
貴「……」

やけに気まずくて黙ってしまう
佐野「………なんで、逃げるの…」

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咲良(プロフ) - さめしゃち?さん» きゅんとしていただけて良かったです!こちらこそ𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮です(?) (2023年3月29日 10時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ゆっちゃんさん» コメント気づかずお返事遅れました…!読んでいただいてありがとうございました!そう言ってもらえて嬉しいです! (2023年3月29日 10時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
さめしゃち?(プロフ) - 久しぶりにめっちゃきゅんっ♡ってしたしドキドキもした!!!神作品を𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮!! (2023年3月28日 22時) (レス) @page20 id: 94eab444ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん(プロフ) - いやほんとうに神すぎません?本当にこの作品好きです!! (2022年12月30日 23時) (レス) id: d04e6957d1 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - arare19951997さん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます…! (2022年10月10日 16時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山口咲良 | 作成日時:2022年6月30日 22時

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