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反社.16 ページ16

貴「…っ!」
ガチャ、って扉が開く音に驚く

うそ…もう帰って来たの…?
九井さんに予定を聞いたら遅くなるって言ってたのに…

とは言え不規則なお仕事だから
早めに寝ようと思って準備していた

…万次郎さんに会わないように
私は彼に連れ去られてここで監、禁されているのだから

会わないようにするとか無理だ
でも時間を減らすことはできるから

最近はそうしていた
万次郎さんが寝言でエマ、って言ってから

どうしても顔見れなくて
悲しくて、辛くて、

私、万次郎さんのこと好きになっちゃったんだなぁ…
自分を誘拐した反社の首領に惹かれるなんて

きっとどうかしてる
私の人生破天荒すぎるでしょ

壊れたロボットみたいに
ギギギギッ…って振り返ると

貴「え、怪我…!」
血だ…

返り血だけじゃない
万次郎さんが出血してる…

彼の向こうから三途さんの声がする
手当しましょう、って焦った声

貴「万次郎さん…手当しないと…」
佐野「いらねぇ」

彼はすごくイラついた様子で言う
黒くて深い瞳が私を睨む

貴「血が出て…」
佐野「いい」

貴「だけど…」
佐野「執拗い」

冷たい声に言葉が出なくなる
ビリビリと空気が揺れる

…怖い
殺されるかも…

彼に出会って初めて思う
佐野「…出てけ」

貴「…!」
彼はそう言い捨てると部屋を出て行ってしまった

出てけって言われた…
早く出ていかないと殺される…

万次郎さんは梵天の首領
私1人殺すなんて簡単だろう

慌てて靴を履いて扉に手をかける
彼に買って貰った靴だ

外に出なければ何をしてもいいって言われてたから
歩き回っていたおかげで出口の場所は分かる

部屋を出た途端に走り出す
早く、早く、早く、

万次郎さんにもう一度見つかる前に…
貴「キャッ!?」

三途「何してんだァ?逃げようとしてんじゃねぇ」
貴「さ、んずさん…」

ピンク髪の彼に捕まってしまった
貴「離してください…!」

三途「お前が逃げるとマイキーが怒るだろ。ドブが」
貴「万次郎さんに出てけって言われたんです!」

そう叫ぶと三途さんは少し固まったあと
上機嫌に笑うと

三途「着いてこい。鍵ねぇと出れねぇからなー♡」
彼は私を嫌っていたから協力してくれるんだ…

よかった…三途さんが万次郎さんを崇拝してて
…これからどうしよう

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咲良(プロフ) - さめしゃち?さん» きゅんとしていただけて良かったです!こちらこそ𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮です(?) (2023年3月29日 10時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ゆっちゃんさん» コメント気づかずお返事遅れました…!読んでいただいてありがとうございました!そう言ってもらえて嬉しいです! (2023年3月29日 10時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)
さめしゃち?(プロフ) - 久しぶりにめっちゃきゅんっ♡ってしたしドキドキもした!!!神作品を𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮!! (2023年3月28日 22時) (レス) @page20 id: 94eab444ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん(プロフ) - いやほんとうに神すぎません?本当にこの作品好きです!! (2022年12月30日 23時) (レス) id: d04e6957d1 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - arare19951997さん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます…! (2022年10月10日 16時) (レス) id: 99406de1b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山口咲良 | 作成日時:2022年6月30日 22時

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