ON-love ver.- 【Y.yokoyama】 (ページ25)

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０２４・堕ちてゆくーページ25

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目を覚ましたのは、女の泣き声だった。

A「………」

知らない、場所。

両手は、ロープで縛られていた。

、遙香ちゃんのお母さんは、泣いてる。

A「…、ちょっと待ってください」

その、とき。

ガチャ、

黒い、雨がっぱの、女。

A「…犯人さぁん、これ外してください」

…佐藤都夜。

佐藤「……はぁ？外すわけないでしょ？」

A「そうですかぁ？困りましたね」

佐藤「…全然そう見えないけど…そういえば、助けは呼べないから」

スマホは、近くにあるカバンからなくなっていた。

A「………、」

佐藤は、大きなはさみを持っていた。

おもむろにつかつかと歩いて、白いカーテンを開けると、

マネキンに、……女の、肌。

佐藤「綺麗でしょう？」

A「、そうですねぇ」

佐藤「…この女の背中をとって」

佐和「っひ」

A「なんでです？おねぇさん、美人ですよ」

佐藤「、そう思う？」

雨がっぱの、下には。背中には。

………赤い、

佐藤「…ふふ、だからこのきれいな服を完成させたいの

……それでねぇ？あなたの顔、とっても気にいっちゃったから

…マスクを、作りたいと思ったの」

近づく、女。

A「…んふふ、」

佐藤「、は？」

A「ふふ、ほどけちゃった」

佐藤「…ナイフなんて、持ってたのね？」

ふら、と立ち上がる。

彼女の手首からは血が流れていたが、なにも気にする様子はなかった。

そう、

犯人が右手を振りかぶって、彼女の左肩にはさみを刺しても。

佐藤「痛くないの？」

A「ん？どこがぁ？」

佐藤「…はぁ？」

A「、怖い？」

佐藤「…ふざけんな」

ぐっ、とはさみは抜かれた。

A「はぁ、かゆ」

佐藤「……、」

A「……醜い？憎い？」

佐藤「……どっちもよ」

A「へ？貴方もですよ？」

佐藤「……、なんかおかしい…やめ、」

A「あれ着ても、わたしを着ても、醜い」

飲みこまれる、ような。

影、なのか。

なんなのかも、わからない。

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