ネオンタウンのハロウィンナイト【オリジナル】 (ページ12)

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『ネオンタウンのハロウィンって、そんなに危ないものなんだね...。』

少し狭い路地を二人並んで歩きながら、Aは独り言の様に呟いた。

Aはこの街に来て初めてのハロウィンに胸をワクワクさせていた。

でもそれがまさか危ない事だなんて知らずに。

「そ。ハロウィンの前は危ないから皆結界を張った家から出ない様にしてるんだぜ。」

そんな事を言いながら、道の脇にある階段や塀をわざと乗り越える様にして、遊びながらAと同じ方向に進んでいく。

それを見るとやっぱり狼は身軽なんだなぁ、と改めて感じた。

『ねぇ、”狼になる”って、どんな感じかな。』

ふと、聞いてみたくなった。

その疑問の中には少し羨ましさも含まれていた。

Aが問うと、カルロスは歩みを止めた。そして少し考えてから、

「さーな、俺も生まれた時から狼だから人間がどんな感じかわからねぇなー。」

『そっかぁ。』

「俺も時々考えるよ、そーゆーこと。」

『え？』

「俺がもし人間だったら、とかな。ま、あるわけねーけどなっ！」

そんな会話をしているうちにAがいつもお母さんと来ているお店についた。

主に木で骨組みが作られていて、深緑色の屋根、硝子のショーウィンドーの中にはつぶらな瞳のテディベアや華麗なバレリーナの人形が飾ってあった。

お使いの内容は、キャンディが一袋と、いつもお店に来たときに買っているチョコレートの小さな箱が１つというものだった。

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