魔法騎士団長と魔法帝のお気に入り 5冊目

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〜会話のみ〜






アレキド｢人は……心の奥底にあるものを知らないくせにそれを“大したことない”と言う。それが如何に愚行の極みかも知らないくせに｣


ハイト｢……は？｣


アレキド｢昔誰かが言ってたんですよ。そういう感じのことを｣


ハイト｢お前の迷言(言葉)かと思った｣


アレキド｢はは…まさか。それこそ“愚行の極み”でしょ｣


ハイト｢何も知らない事は“愚か”か？｣


アレキド｢いいえ。“可哀想”です｣


ハイト｢それならお前達の過去(こと)を知らないAは……可哀想、か？｣


アレキド｢あの子を引き合いに出すのはズルい。だって……あの子は……そういうんじゃないでしょ｣


ハイト｢(お前は何も変わらないな。“今も昔も”)｣


アレキド｢誰かの辛い過去を聞いただけで、その人にとって“残酷な過去(こと)”だと決めつける奴が一番残酷ですよね

どうして決めつけれるんですかね？

それ以上の過去(こと)があるかもしれないのに｣


ハイト｢何でもいいんだよ。人は、人を見下す理由が欲しくて、憐れんで、自分のほうがまだマシだと思いたい

だから人は……他人の痛みは無視して、自分の痛みには敏感で……。いつだって自分だけが可愛い｣


アレキド｢そんな自分中心の世界に……人の痛みに共感する女の子がいる世界

それは俺達(貴方)にとって果たして“救い”なんですかね……｣


ハイト｢何が言いたい？｣


アレキド｢ハイトさんの痛み(過去)は残酷です。そしてカナギ達の痛み(過去)も

どちらがより残酷かと聞かれたら全く同じものだと俺は思います

だってそうでしょう？そんな簡単に序列を決められるものなら、あんな事しなかった｣


ハイト｢未来を見通す占い師(魔道士)は人の想いまでお見通しかよ。すげーすげー｣


アレキド｢人が真面目に話してるのに……！！｣


ハイト｢つーかさ。仕事どうした。魔法マニアの側近やってんだろ｣


アレキド｢側近ではないです。その魔法マニ……帝が逃げたので探しに来たんですよ｣


ハイト｢じゃあ探せよ｣


アレキド｢その前にハイトさんに報告しとこうかと思いまして｣


ハイト｢あー…何？｣


アレキド｢近々俺達の歓迎会というなのパーティーが開かれるそうですよ。はは。その顔。すると思いました｣


ハイト｢歓迎会……ねぇ｣


アレキド｢一応参加しません？魔法帝も“良い奴”ですよ｣


ハイト｢めんどくさ……｣

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