魔法騎士団長と魔法帝のお気に入り 5冊目

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〜A〜



え、どうしよう


捕まえていいんだよね？


捕まえるべきなんだよね？



敵だらけの戦場で不用意に我を忘れてるんだけどあの人達……



｢氷拘束魔法“氷の檻(アイスケージ)”

え……？｣


あれ。おかしいな



魔法は発動しているはずなのに捕らえていない


一瞬、私の魔力不足かと思ったけどそうじゃない



さっきもフエゴレオン様の精霊魔法を喰らってて……



アレキドさん達は無傷でアスタ達に勝った……？



何かがおかしい



｢氷創成魔法“神々の惨逆(さんげき)”！！｣


ハイト｢やめとけ。魔力の無駄遣いだ｣


確かに直撃しているのに……


魔法が無効化されている！？



アスタの反(アンチ)魔法じゃあるまいしそんな事……



ハイト｢お前さ。話しがしたいって言ってたけど、何の話しをするわけ｣


｢だからハイトさんの……｣


ハイト｢それを話してどうなる。過去を変えてくれるのか｣


｢それは……違う(無理)だけど……｣


ハイト｢なら黙って見てろ｣


｢違う(無理)だけど……私が背負うから！！ハイトさんの悲しみも憎しみも全部！！
魔法騎士団を殺して気が晴れるなら、私だけにして！私だけで……その憎しみ(連鎖)を断ち切って……｣






アレキド｢Aちゃんの場合。嘘偽りの言葉じゃないから困るんだよなぁ……。どうします？｣


ハイト｢殺すわけないだろ｣


アレキド｢ですよね。んじゃ大人しくしてもらますか｣






ハイトさんには誰も殺させない



まだ……何もしていない今なら咎められない……！！


｢氷創成魔法“氷獄の氷光”｣


ハイト｢だから無駄だって｣


ユノと互角に渡り合ったこの魔法も効かない



威力重視にしてるのに……



アレキド｢人はさ。決められた運命を逃れる術はないんだ｣


｢運命？｣


アレキド｢そう。運命のレールから外れたと喜んでいても、本当はそれさえも運命

そして……俺の占術魔法は運命を決定付ける

俺達に君の……お前達の攻撃は絶対に当たらない。それは決定された運命(未来)だ｣


バネッサ姐さんの運命操作とは訳が違う



人も魔法も遥かに超えた領域


未来を確定する魔法



そんなのどうやって止めれば……




いや違う



攻撃が当たらないのが運命(未来)ならハイトさんは“聖氷の剣”を躱す必要はなかった


なのに躱したのは、運命を決定付ける魔法には欠点がある




｢アスタ。貴方の魔法。借りるね｣

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