特殊 (ページ38)

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「なんか、眠いんだけど眠れないんだよね」

「痛くはないの？」

「今は平気」

「眠いのに寝れない知念ってなんか珍しいな」

前の席から大貴の声が飛んできた。

「そうだよね、僕割といつでもどこでも寝れると思ってたけど違ったみたい」

「次何処か寄ろうか？気分転換してみる？」

前に座るマネージャーからも声が飛んできた。
そんなに声をかけられるぐらい僕いつもと違うのかな？と少し疑問だったが、違う。

みんなこれまでと違う状況の僕を心配してくれているのだ。

僕の身体がほんの少しだけ前と変わってしまい初めてのコンサート。今までとは違うと周り皆んながわかってくれていて、でも僕の事は僕しかちゃんとわからなくて。

だから僕を見ていつもと違う事に気づいて声をかけてくれているのだ。

自分で口元がにやけたのがわかった。「どした？」って涼介に聞かれたけど、うまく言葉に出来なくて首を横に振る。

「ううん、そうだね、気分転換もいいかも
ありがとう」

「それじゃあちょっとしたら寄るから」と寄ってくれたエリアパーキング。涼介と大貴とマネージャーと車から降りた。外の空気が気持ちいい。
せっかくだからとお土産や軽食を見てみる。残念ながら遅い時間だったのでご飯系は終了間際だったけど「このお菓子美味しそう！」とか「このゆるキャラ知ってる？」と盛り上がれた。

時々「つらくない？」「平気？」って声をかけてくれて更に嬉しくなった僕は気分を新たにし帰宅したのだった。

帰宅してから気づいたけどその日のSNSは大分賑わっていたみたい。
僕らは気づかなかったけどどうやらファンの子が丁度ご飯を食べていたそうで遅い時間に入ってきた僕らに気づいたようだ。

『ありやまちねいた！』
『知念くんの腰に腕回してた！』
『やまちねめっちゃ顔近いんだけど』
『ありちねで笑いあってた可愛いー！」

、、、僕あんまり体調良くなかったから2人とも割と近くに居てくれたけどそんなに顔近かったっけ？
？？？が頭の中に並ぶがまぁ近く見えたんだろうと洗濯物を洗う。明日も仕事だし、面倒な事は早めにやるに限る。

ライブの感想も流れてきてふんふんとチェックしながら荷物を片付けているとゆうてぃーからLINEが来た。