特殊 (ページ35)

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「え、いのちゃん？」

「知念に渡したいものがあって、、、ちょっと俺の部屋一緒に来てくれる？」

なんだろう？と疑問に思いながらもいのちゃんの部屋に行くとソファーに座らされた。

「はい、知念」

手渡された紙袋の中には真っ白でもこもこなオーバーサイズのパーカーが入っていた。

「知念に似合うと思って」

「え、いいの？」

「俺とお揃いだけど」

いのちゃんの手にはお揃いのネイビーのパーカー。

「今日とか本当に寒く感じたから、、、ありがとう」

「寒くて裕翔がカ/イロになってたんだって？先に渡せばよかった」

「底冷えしちゃって、、、でも明日からこれがあるから平気だと思う、いのちゃんとお揃いだし」

「俺とお揃いだからって、もしかして俺の事好きなの？」

「だいすき♡」

「グループ内恋愛はちょっと、、、」

「違うわ」

おどけて肩で笑ういのちゃんに伝わったかどうかわからないありがとうをまた伝えソファーから立ち上がる。
じゃあ知念を部屋に送ろうかなと僕の部屋へ一緒に向かういのちゃん。「すぐそこだよ？」と言ったが「心配だから」と僕の部屋までついてきてくれた。

「じゃあ知念、おやすみ
いいこで寝るんだよ」

「あはは、おやすみ」

ふざけて子ども扱いするいのちゃんに思わず笑いながらバイバイする。
ふわふわとした良い気分のままシャワーを浴びて髪を乾かしベッドに入る。

メンバーの優しさが沁みた１日だった。
僕の体調を気にかけてくれて、僕が辛くないように声をかけてくれて。

(僕、本当にこのグループで良かった、、、)

打ち明ける以前は拒否されるかもと身構えていたけど、蓋を開ければ拒否されるどころかむしろ自然に気遣ってくれている。

メンバーの優しさに体調の悪さなど忘れた僕はぐっすりと眠れたのだった。