頑固者が2人おりまして

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壱馬の圧に負けて、とりあえず岩さんに電話をかけてみることにした。



忙しいから多分出ないよね、と思いながら。



まあ、出ちゃっても、無理って言って貰えるように、すればいいだけか。



そう思いながらも、出ないでくれ.......と祈りながら、呼出音を聞く。




岩〈はーい、珍しくない？電話〉



『.......が、岩さん』




出ちゃうんですね、電話。



そう思いながら、壱馬の方を見ると、すっと壱馬の手が私の方に伸びてきた。



『えっ、ちょ、壱馬？！』



壱「岩さん、お疲れ様です！」



岩〈え？壱馬？なになにお疲れ〜〉




壱馬から、iPhoneを取り上げられ、勝手に岩さんと会話を始める壱馬。



取り返しに手を伸ばすとあっさり敗北し、手を拘束された。



壱「今、Aと飲んでて、岩さんとペアダンスするって聞いて！



練習見たいなと思いまして、経験にもなるので」




岩〈そう言うってことは、水曜日大丈夫だったのかな、A〉




壱馬から、iPhoneを取り返すことを諦め、ピタッとiPhoneに耳をつけて会話を聞く。




壱「Aの約束の相手俺だったんで、練習、見学してええなら〜って」



岩〈俺は別にいいよ、水曜日に練習1回目できる方が嬉しいし〉




壱「だってさ、A」




ニヤッと笑みを浮かべながら、そう言い、iPhoneを返してくる壱馬をじとっと睨むが、状況は変わらない。




『岩さん、すみません、よろしくお願いします』




岩〈壱馬と仲良しなんだね笑〉




『.......飲み仲間です』




岩〈ま、練習よろしく！




その後飯いこうな〜！〉



『はい、ありがとうございます』




岩さんが電話を切ったあと、私もiPhoneを耳から離して、壱馬をまたじとっと睨んだ。




この悪魔め。

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