頑固者が2人おりまして

11 ページ11

壱馬と、飲んでてなんだかんだ、日付またぐまで居酒屋にいたので、朝、家まで、迎えに来てくれたマネージャーの青木さんの車で、美顔ローラーをゴロゴロとして、浮腫をとりながらそう答えた。




正直疲れた顔で、岩さんに会いたくないし。




『.......今日は、3話の撮影だよなあ』




私がMV出演する、三代目さんの楽曲は、私が今撮影しているドラマの主題歌に起用されてるものだから、MV撮影もバタバタしそうだなとか思ったり。




青木「もう着くから、美顔ローラーやめて」




『メイク室までこれで行ってやる』




青木「やめてね、清楚系女優で売ってるから、あなたは。



変なことしたらバラエティ転向ね」




『ごめんなさい』




もう少しちゃんと女優で売りたいと思います、本当に。



そう思って、そっと、美顔ローラーを青木さんに差し出して、荷物をまとめた。



メイクさんが可愛くしてくれる()からすっぴんで現場に入る。




『おはようございます』




スタッフ「おはようございます、メイク室にお願いします」




『はい、ありがとうございます！』









＿＿＿









『やっぱり押した！』




青木「走ってー、走って、あ、そこ右です、スタジオー」




相手役が調子悪かったのか、やはり撮影が押して、三代目さんとの取材の時間のギリギリになってしまった。



青木さんが言う通り、そのスタジオに入れば、三代目さんは衣装に着替えて、スタンバイされていた。




『申し訳ないです、遅れました』



直人「あ、Aちゃんお疲れ様、大丈夫だよ、衣装に着替えてきな〜！」




直人さんが、iPhoneから顔をあげて、にこにこと笑いながらそう言ってくれたから、少しほっとした。

12→←10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す