僕が想うのは【裕×亜】

17 ページ17

分かりやすいなんて言われたこと無かった。



喜怒哀楽ははっきりしている方かもしれないけど、好き嫌いは、一切バレたことがない。



裕ちゃんを好きなのだって、白濱さんだけなんだから、気がついたの。



亜「よし、もういっそ、イメチェンしてみる？」



『へ？』



亜「雰囲気変わったら、何でかなって気になるじゃん？」



白濱さんは、唐突にそう言って、じゃあ、今度予定合わせて買い物行こ、と言い出した。



『……ええ、白濱さんとー……？』



亜「えー、裕太くん振り向かせようよー！



そのためでしょー！」



そこで、嫌いな俺のために妥協したら、もったいないでしょー？と言った白濱さん。



いや、でも、あなたとショッピングに行くのはちょっと……あなた目立つし。



そう思って、私は口を開いた。



『一人で買いに行きますから、大丈夫です』



亜「それだったらイメチェンにならないでしょ？笑」



『……それはたしかに』



亜「俺が、Aちゃんのこと変えてあげる」



そう言って頬杖をついて、断言した白濱さん。



『……でも』



亜「俺のことは、白濱さんじゃなくて、亜嵐って呼んでね」



『……聞いてないですね』




でも、この人のいう通りにしてみて、本当に裕ちゃんと付き合えるなら。



本当に、裕ちゃんに私のことを好きになってくれるのなら。



そう考えてしまうほど、嫌いな人に縋ってしまうほど、私の“片想い”という病気は末期だった。




『……お願いします、“亜嵐”さん』




そういうと満足そうに笑う亜嵐さんは、怖いくらい綺麗だった。

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す