love 38 ページ39
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街の木々がヒカリで彩られて、
道を歩く人々の顔には笑顔が灯る。
どこかでベルの音が鳴り響いて、
その空間はよりロマンチックになる。
マフラーから少しだけ顔を出して息を吐けば、
白い雲が上空へと舞い上がった。
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手袋をした左手には
可愛くラッピングしたプレゼント。
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家で待つ彼はこれを見たらなんて言うだろう。
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そんなことを考えながら一歩づつ歩いていた。
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フワッ…
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ある時鼻腔を掠めた香りに
私は思わず振り返った。
見えたのは人波。
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そりゃそうだ。
こんな所にいるはずがない。
彼は今、
家にいるのだから。
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それでも何故か、あの日腕を引かれた時の香りに似た匂いがするとどうしても体温が上がってしまうんだ。
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少しだけ火照った私の体を
冷たい風が冷ましていった。
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「あ…」
いつしか私はある大通りに出ていた。
どこまでもまっすぐ続いているこの道。
ちょうど真正面には赤く色づいた東京タワーが
そびえ立って、その存在感を放っていた。
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昔はよくデートで訪れていた場所。
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いつもなら私の横に彼がいて
綺麗だね
なんて言いながら足を止めて眺めるのに。
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「わぁ、きれー!」
その時聞こえたどこかのカップルの言葉が
心に刺さって、
気づけば頬を濡らしていた。
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こんな所で泣いてちゃダメだ。
「帰ろう…」
小さく言葉を地面にぶつけて
私は再び歩き始めた。
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Blue White(プロフ) - コメントありがとうございます。Dcaも読んでくださったんですね!感謝、感謝です。この先の展開ではBlueWhiteの世界観がたっぷり出てきますので、お楽しみに! (2018年4月3日 10時) (レス) id: d030cca7ce (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいている梨乃です。Don'tcryanymoreの印象が強かったので愛のチカラがとても新鮮に感じます!!これからも更新楽しみにしています!青色さんと黄緑さん、私も大好きです!世論なんて知りません!笑笑 (2018年4月2日 17時) (レス) id: 8e1fd5095a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Blue White | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/bluewhite01/
作成日時:2018年3月20日 19時