ブルースター６ (ページ31)

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ep.39 突然いなくなった慎ページ31

* 椛 side

朝。
あたしは全ての準備を済ませて、いつも通りロビーへと降りて行った。

今日は少し準備に手間取ったから、きっとあたしが最後だろうと思って、ロビーに顔を出したんだけど。

椛「え……」

そこには、澤本先輩を筆頭に、藤原くんと千晴しかいなかった。

樹「あ。……はよ」

一番にあたしの姿を確認した藤原くんが、ぎこちない笑顔を見せて、挨拶をしてくれた。
それでずっと下を向いていた千晴もあたしに気がついたらしく、ゆっくりと顔を上げた。

千晴「椛……お、おはよ」

笑顔が、やっぱりぎこちない。
何？
何で、2人しかいないの？
何で、他の人達は姿さえ見せてないの？

夏輝「……」

それから黙りこくる藤原くんと千晴を、澤本先輩はただ交互に見るだけだった。
その時の瞳があまりにも真剣過ぎて、あたしの不安をかきたてた。

そんな時。

あたしの後ろから、階段を降りてくる足音が聞こえた。
おもむろに振り向いてみると、そこには私服を着た葵唯と川村くん、それから吉野くんがいた。
……って、何で私服？

掃除の時は確かに私服でもいいと言われていたけれど、基本的に面倒だからと、皆最初から制服を着ていたはず。
現に、藤原くんと千晴は制服だ。
それなのに、何で3人は私服なんだろう。そして何で一緒に出てくるんだろう。

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