ブルースター６ (ページ24)

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壱馬「で……放って来たん？」

シーンと静まる中、川村くんが藤原くんに投げつけるように言う。

樹「放って、っていうか……外で待とうとは思ったんだけど、途中で警備員に見つかって、追い出されるように帰って来たから」

つまり、待とうとしても待てる状況じゃなかったと。
……うん、仕方ないかな。

壱馬「……なるほどな」

何か川村くんって、眼鏡かけてると意外に知的に見えるね。
……私だけかもしんないけど。

そんな時だった。

また、玄関の方でドアが開く音が聞こえた。
本当に僅かな音だったから確信はないけど、聞こえた気がした。

それは全員感じたことらしく、全員が玄関のある方を振り返った。

北人「……出迎えてみよっか」

誰も何も言わないし動かない中で、座っていた吉野くんが立ちあがり、食堂を出て玄関へと向かった。
続いて藤原くんと千晴も向かい、最後に川村くんと私は一度顔を見合わせてから、渋々と動いた。

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