ブルースター４ (ページ49)

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樹「…無理は、してない？」

千晴「う、うん…大丈夫」

あれ、藤原くん…千晴だけに言ってる。
私は大丈夫だって思われたんだろうね、まぁ…表情からして。
本当に大丈夫だからいいんだけど。

でもなんかあれだな。
千晴って、結構藤原くんに心配されてるっぽいよね。
ほっとけないタイプだからね…千晴は。

壱馬「ってことは、戻ってOKやんな？」

慎「それっぽいな」

北人「じゃ、帰ろっか！」

帰る…か。
あの寮は、私達にとっては家なんだよね。
そう考えると…なんだか、自然と嬉しくなった。

壱馬「やっとゆっくりできるわ…」

伸びをしながらそう言って、川村くんが歩き出そうとした。

「…壱馬？」

だけど…その瞬間、本当にちょうどいいタイミングだった。
私達の後ろから、高めの女の人の声が聞こえてきた。
壱馬って…川村くん、だよね？

壱馬「ん？」

もちろん自分の名前に反応した川村くんは、後ろにいる私達のさらに後ろに視線を向けた。
なんとなく、私達も同じように後ろを向いた。

そこには、女の人がいた。それも、見るからに年上。
すごく美人で…思わず、目を奪われてしまうほどの人だった。

茶色くて長い髪はサラサラで、羨ましいくらい。
可愛いって言葉は、合わない。綺麗っていう言葉しか…その人には当てはまらない。

その人を見た川村くんの表情が、少しの変化を示す。

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