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宮本「ん？…おい、藤原。お前、ネクタイは…」
樹「え？…無くしました」
宮本「…無くした？」
樹「部活中に部室で無くなったんで…多分、盗られたかと」
うわ、さすが藤原くん。
怯むことなく正々堂々と。
宮本「…まぁ、お前なら嘘は言わんだろうからな」
…あれ？
何この先生。もしかして梅寮内での差別が始まった？
彩花「え、盗られたって…」
樹「分かんないけど、部室には鍵かかってなかったし…」
彩花「名前とか、書いてなかったの？」
樹「…いや、書いてなかった」
…何か仲良さそうに話してるように見えるんですけど。
藤原くんと…松本さん。とは言っても、松本さんが積極的なんだろうね。
宮本「まぁいい。月曜日にでも注文しておけよ」
樹「あ、はい」
宮本「問題は…お前だ、瀬口。ネクタイしてないわピアスは右に2つ左に1つ…何だそのだらけた格好は。やる気あるのか？」
黎弥「いや、僕強制につれてこられたんですけど。もはやボランティアの趣旨と違ってますよね？」
壱馬「気持ち悪…」
今の川村くんの言葉は、きっと瀬口くんが僕って言ったことに対してだよね…。
気持ちは分かるよ。私も思ったもん。
宮本「強制だとしてもやるだけのことはやる。それが道理ってもんだろう？」
黎弥「知らねぇよんなもん」
宮本「何だと？」
…わー。
また始まっちゃった…。
北人「またか…」
陽向「大変だよね…」
北人「瀬口の場合は…僕等でも何も言えないもんね」
陽向「本当、問題児ですなぁ」
北人「まぁまぁ…」
んー…何だか分からないけど、吉野くんと話してると和むなぁ。
いいお友達になれそうだね。
＊
陽向「…募金お願いしまーす！」
北人「…見向きもしてくれない」
とうとう、募金活動が始まったわけなんだけど…。
…皆、もっと協力して？
私達の前を、素通りする人しかいない…。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月31日 0時
