ep.28 梅寮生10人の土曜日の休日はなく駅前で募金活動 ページ43
* 陽向 side
そしてそして。早くもやってきました土曜日が。
＊
私達梅寮の生徒は、休みの日だというのに制服を着て、一番最寄りの駅に集まっていた。
時刻は、まだ朝の7時半。
陽向「眠い…」
北人「同感…」
もちろんのこと、私と吉野くんは物凄く眠たそうな顔をしていた。
夏輝「…相変わらずですね」
壱馬「お前等さぁ…ええ加減に朝弱いのなおす気ないん？」
椛「ていうかそれ、なおるものなの？」
葵唯「まず微妙なとこだよね」
慎「てか樹。お前ネクタイは？」
またひとつの変な話が始まろうとする中で、長谷川くんは隣にいる藤原くんに聞いた。
確かに、藤原くんはネクタイを締めていなかった。いつもはちゃんと締められてるはずなのに…どうしたんだろ？
代わりに、第一ボタンだけがあいてた。…何かいつもはちゃんとしてるからか、新鮮に見える…。
樹「…無くした」
千晴「…いつ？」
樹「えっと…昨日の放課後。部室に置いてたんだけど…部活が終わった後にはなくなってた」
黎弥「あーあ…それはきっとあれだ。女子にパチられたな」
樹「…何だよそれ」
黎弥「いい？モテる男ってのは辛いよー。何せ物が勝手に無くなるんだから」
壱馬「へぇ…お前は？」
黎弥「俺？俺はいつも自分からあげるから」
川村くんが挑戦的に聞いたことに対し、瀬口くんはとてもにこやかな笑顔で答えた。
…うん、いつもいつもあの図太さには尊敬の眼差しを送れるよ。
樹「…何円だっけ」
北人「さあ…1,000円くらい？」
樹「高…」
…何かいつもより藤原くんのテンションが低い。
…やっぱりネクタイ効果？
彩花「あ、皆！こっちだよ！」
私達が話していると、風紀委員である松本さんがこちらにやって来た。
そして、全体で集まる場所を差して言った。
＊
なんとなくぞろぞろと集合場所まで来ると…
驚くことに、宮本がいた。
…うわー。また川村くんと葵唯が…。
壱馬「ここで会ったが100年目」
葵唯「喧嘩なら喜んで…」
夏輝「はいはい。それはまた今度」
…さすが先輩。
丸くおさめちゃったよ。
宮本「ようやく来たか…」
あのーすみません。
まだ集合時間まで5分前ですが。
壱馬「チッ…」
あ、もろ舌打ちした。
顔にも嫌々さが出てるよ川村くん…。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月31日 0時
