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裏庭。誰も来なくて、薄暗い場所だった。しかも今日は太陽が出てないから、さらに暗い。
私はそこで、呆然としていた。
雨はちょうど今は止んでるらしかった。
…どうせ私が今いる場所は、屋根があるからいいんだけど。
何であんなこと…言ったの。
あれじゃあ…丸分かりじゃん。
葵唯「…最悪」
顔…合わせ辛い。
川村くんとも…藤原くんとも。
もう嫌だよ…何で私ばっかり、こんな目にあわなきゃいけないの。
神様なんて…大嫌い。
「あーあ。やっぱりな…だから言うたやろ」
私が一人で校舎の陰に隠れてうずくまっていると、どこかから声が聞こえてきた。
私の、真上から。
葵唯「…か」
壱馬「…来へんと思ったら、こんなところにいたんか」
川村くんだった。
ポケットに手を入れて、めんどくさそうにそこに立っていた。
逆光で、あんまりちゃんと顔が見えなかった。
壱馬「…樹、何か悩んでたで」
葵唯「…」
思わず、川村くんから目を逸らした。
一度、教室に戻ったんだ…。
私、最低なことした…。
壱馬「…お前でも、恋の一つや二つはするんやな」
葵唯「…どういうこと」
川村くんを見ないまま、返事をした。
見れるわけ…ないし。
壱馬「お前って男に興味ないんやなかったん？」
葵唯「…ないよ」
壱馬「…なのに、樹は？」
よっこらせと言いながら、川村くんはしゃがんだ。
私に、目線を合わせていた。
葵唯「…知らない」
だけど私は、逆方向に顔を向けた。
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年5月31日 0時
